1228.出来の悪い部下ほど力をつけさせてくれる

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。

部下を持った時もなるべく才能のない者を連れて行くのです。

才能のある者は自己に任せていました。

ある日、私に全く楯突く部下が入ってきました。

私が説教でもしようものなら、後から蹴る真似をするのです。

後もう一人、いつクビにしてもいいようなボサッとした人がいました。

この二人を正座させて、「これからは私の話を百%聞きなさい、イヤだったら今すぐ帰りなさい!」と言ったのです。

「その代わり、私の言う事を聞いたら今の給料の二倍、三倍の給料が取れるような男にしてみせる」と言ったのです。

そして、その二人を徹底的に鍛えました。

わざと私用を言いつけるのです。

「飯を盛れ」、「靴を磨け」、「布団を引け」というように言いつけたのです。

そうしたら、「どうして俺がこんなことやらなければいけないんだ!」と逆らうのでしたが、私は「うるさい、絶対やれ!」と言ってやらせたのです。

「やり終わったら帰れ」と言って絶対やらせてから帰らせたのです。

徹底的に鍛えたのでした。

私はしつこかったので、とにかく無理やりやらせました。

セールスして歩いている時も、「ここに入って、十五分間出てくるなよ!」と言うのです。

私は時計を計って待っているのです。

そういうことをやらせたり、とにかくいろいろなことをやらせました。

それは恥ずかしさを克服するためだったのです。

普段、私は私用を言いつけることはほとんどありませんでした。

しかし、先輩、後輩の区別もわからないような人には、これぐらいしなければいけないと思ったのです。

何を言われようが、何を思われようがやらせたのです。

さらに、ずっとそういうことをやらせて、旅館に帰ってきたら、正座をさせて、報告させたのです。

それが終わるまでご飯も食べさせませんでした。

売り上げが悪ければ、また外出させます。

それを毎日、一年間続けたのです。

そうしたら、全然駄目だった人が、会社で売り上げが三番になったのです。

そして、それまでは私に逆らってばかりいましたが、私の話をメモしながら聞くようになったのです。

採用する時はあんな頭の悪い、あんな態度の悪い奴と採用するつもりがなかったのですが、無理やり入社してきたのでした。

でも今考えると、その人間を勝手にこちらが評価していたのだということがわかったのです。

私はボサッとした人間とものすごく生意気な人間、一番難しそうな二人を連れていって何とか一人前にできたことが、それから後輩を育てるということにものすごく自信がついたのです。

普通から見るとそれは遠回りなのです。

でも私の人生哲学から言うとそれは近道だったのです。

何故かというと、そういう難しい人間を育てることができれば、そうではない人間は簡単に育てることができてしまうからです。