佐藤康行の言葉をお伝えします。
わざと売りづらい所へ行ったこともあります。
福井県には何回も行ったのですが、黙っていても売れるようになりました。
私は愛嬌が良かったからおばさんたちに可愛がってもらえるようになり、人気者になれたから、その人たちが人を呼んでくれるようになったのです。
でもそうすると逆に営業力は弱くなっていったのです。
そのため、私は全く知らない所へ行こうと思い、真冬に北海道の稚内へ背広一つで行ったことがありました。
その頃、みんな月間二百万から三百万売れれば良かった方でしたが、私はその時に「八百万売れなかったら、みんなの前で腹を切って死ぬ」と言ったのです。
「嘘は言わない、絶対やってみせる」と言ったのです。
故に私は死にたくないから絶対に八百万売らなければならなくなったのです。
真冬に全く知らない土地へ行ったのですが、そこであるヒントを得たのです。
街を歩いていて強い風がビューッと吹いていました。
「すみません、寒くてどうしようもないから、風を防ぐために少し休ませてください」と言って家の中に入って行ったのです。
そうしたら、まず駄目だと言う人はいませんでした。
事情は後で説明しますと言って休んでいるうちに自動的にお茶やお菓子が出てきました。
「大変だね」という会話から始まって、いろいろな世間話をしているうちに、セールスの話もでき、実際に売れたのでした。
それから、どんどん広がっていき、その時に私は八百九十万売ることができました。
わざと一番難しいことにチャレンジするのです。
私のテーマはそこなのです。
一番難しいことをすることによって他のこともできるようになるのです。
そして、そうすることによって次の答えが見えてくるのです。
私がステーキ屋のチェーン店をやりながら、それでも飽き足らず、こういうことをやっているのはそういうことなのです。
今から二十五年前、私は宝石のセールスで五十万から百万の月収がありました。
まだ二十四、五歳の頃でしたが、自分で独立してやれば月収三百万とれる自信がありました。
それくらい自信を持っていたのです。
今で言えば大変なことです。
私は天才と言われたのです。
自慢しているわけではありません。
要するに苦手なことをやることによって他のことができるようになるということが言いたいのです。