940.バブルと本物志向

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。

「バブルとは「エゴ」と「ニセ者志向」の産物」

についてです。

バブルとは、文字通り泡という意味です。

泡はたしかに泡として

ふくれ上がって見えますが、

一瞬のうちにはじけて消えていきます。

これが泡の実体、まさに

幻想のようなものともいえるでしょう。

バブルとは、心の世界でいえば

お客様を喜ばせようとしないで、

また、自分を高めようとしないで

お金だけを追いかけることです。

そうするとバブルとなり、

やがては必ず崩壊していきます。

お金儲けで一番手っとり早いのは、

自分の意識を高めなくてもいいやり方、

お客様に喜ばれなくてもいいやり方です。

たとえば土地の値上がり、

株の値上がりで儲ける

といったものですが、

それは、博奕で儲けるのと同じです。

当然、作用、反作用の法則で

上がったものは下がり、

下がったものは必ず上がる

という法則があります。

苦労せずに金儲けをすれば、

苦労せずに損をします。

永遠不変の商売の法則があります。

私の知り合いの不動産屋は、

いまでも大きく事業を営んでいますが、

その社長はバブル崩壊の影響を

ほとんど受けませんでした。

彼は、不動産としての土地投機には、

一切関心をもたなかったからです。

常に自分自身の成長、

そして不動産を商品として、

お客様に喜ばれるもっともいいものを

提供することだけを心がけていたからです。

バブル崩壊に出合わないコツは、

常に自分自身を高め、成長させ、

そしてお客様に喜んでいただいた上で

正当な利益を上げることです。

それをたゆまずやっていくことこそ、

どんな時代がきても

永遠不変の商人の真理です。

以前、台湾で地震があったときに、

ビルが崩れて、崩れた壁や柱の奥から

石油の一斗缶があらわれた事件が

ありました。

空き缶を多数使って、

壁のように見せかけた

手抜き工事をしていたのを、

テレビで見たことがあります。

これは、地震がこなかったら

いつまでも隠しとおせたものです。

地震がきてはじめて、

手抜き工事がわかったのです。

地震や台風ではじめて

手抜き工事がわかる。

不況がきて、はじめて仕事や商売が

本当にお客様に喜ばれて、

誠実にやっているかどうかが

はっきりわかります。

商売がますます厳しくなるこれからは、

ごまかしが利かない時代になる

ということです。

ということは、世の中のいろいろな

問題を表面化させるには、

地震や台風は大きな役割をはたす

ということです。

同じく、不況もまた社会に対して

大きな役割をはたします。

いい加減なところは倒産する。

真面目に誠実にやるところは

お客様に喜ばれて儲かる。

いいものを常に適確に追求し、

社会に役立つものを追求していく

企業や商人が残る時代は、

悪い時代ではありません。

バブル経済とは、

我欲の追求そのままで商売したり、

人を騙してでも金儲けをする

典型といえるでしょう。

本物とは、お客様に喜ばれ、

社会に喜ばれ、自分自身の向上を

常にはかる人です。

そういう人は、

バブルにはひっかからないでしょう。

バブル崩壊というのは、

決してお金の問題ではなく、

日本人の欲望による、現物信仰、

金銭信仰のすべてのあらわれと、

その結果なのです。

そのことでいまだに精神的ダメージを

こうむっている人たちや、

バブルがはじけ、夢も希望もなくして

うつ病になる人など、

精神的バブル崩壊の被害者が

日本にはたくさんいます。

だからこそ、

いまが真実を求めることが

できるチャンスでもあるのです。