〜部長日記〜（第７話）
昨日２月１日は私にとって
運命の日となった。
その日は朝から緊張していた。
部長にあるものを持っていくからだ。
いつ持っていくか、いつ話を聞いて
もらうかチャンスをうかがっていた。
「よし、朝一番にしよう！」
と私は朝一で部長のところに行き
私「５分くらい時間よろしいですか？」
と聞いた。
部長「プロジェクトの資料か？
今日は忙しいの知ってるだろう。
この後会議だし、ダメだ！」
と一蹴された。
私は何としてもあるものを部長に
午前中に渡したかった。
会議を終えた部長のところに
行ったのは１１時を過ぎていた。
私「プロジェクトのことじゃ
ありません。
５分で終わりますから、１０１会議室に来てください。」
と言って私は足早に会議室に向かった。
すぐ後から部長が来た。
部長「何？」
と怪訝そうな顔で尋ねてきた。
私はあるものを取り出して部長に
渡した。
私「３月いっぱいで会社を
退職させてください。」
あるものとは・・・
会社の『辞表』のことだ。
私は『辞表』を
提出したのだ。
部長「？！・・・辞めてどうするの？」
私「実は他にやりたいことができました。
企業カウンセラーの仕事です。
前からカウンセラーの勉強を
していました。
１２月からストレスチェックが５０人以上の企業で義務付けられたのは
ご存知ですよね。
YSメンタルヘルス株式会社というところでカウンセラーの資格を
とりました。
企業のメンタルの方のカウンセリングやメンタルヘルスの未然防止研修
などをやります。
日本からうつをなくすために
企業カウンセラーとして
やっていきたいと思います。」
部長「そうか・・・。わかった。
私の方は受理します。
社長に通しておきます。
結果はまた報告するから。」
私の熱意のある話を聞いて
前向きな理由で会社を辞めるんだと
納得してくれたようだった。
そしてすぐに社長のところへ
書類を持って行ってくれた。
そして私の辞表は受理されたのであった。
（第８話へ続く）
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