佐藤先生の言葉をお伝えします。著者幸せな結婚の法則より
昨日の続きです。
宏一さんと紀子さんはいまでこそ仲睦まじいソウルメイト夫婦ですが、結婚を決めるまではそれぞれに迷いがあったと思います。
結婚する前の二人を見ていたとき、私には幸せのビジョンがはっきりと浮かんだのです。
映画のハッピーエンドを最初に観るような感覚と言えるでしょう。
このように未来の記憶をひも解き、ゴールから出会いまでのストーリーをたどっていけば起こる出来事にすべて意味があるとわかるので、私の気持ちが揺らぐことはないのです。
結婚までの道のりでいちばん大変だったのが、宏一さんの“父親へのカミングアウト”でした。
自分がゲイであるという事実を父親に告白することは、どれほどの勇気が必要だったことか。
それだけ宏一さんにとって父親は大きな存在だったのでしょう。
あとから聞いたのですが、宏一さんがこれまでに好意を持った男性の多くは父親似だったそうです。
「父親にゲイであることを知られたら殺されるかもしれない」という極端な恐れをもっていたのも、「父親に存在を否定されたら生きてはいけない」という気持ちの裏返しだったかもしれません。
父親を尊敬することは大事ですが、行き過ぎれば弊害もあります。
幼い子どもにとって親は絶対的な存在です。
それが成長するにつれて肉体も精神も親に追いつき、ついには追い越していく。
それが本来あるべき自立の姿です。
いつまでも親を超えられないでいると、自信が持てずに悩み苦しむことになります。