1445.もうだめだと思った時が本当のスタートラインだ〜続き〜

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者成功と幸福を呼ぶ言葉より
昨日からの続きです。
しかし、皆の前で「八百万円以上売らなければ腹を切る」と宣言してきた以上、何が何でもやらなければいけないと、自分自身を奮い立たせ、町の下見を兼ねて二~三キロ歩きました。

それから、最初の一軒に「すみません。死ぬほど寒いので少々暖まらせてください」と手を合わせ、今にも泣きそうな顔で飛び込みました。

「私は東京から来たものですが、稚内がこれほど寒いとは思いませんでした。お願いします」と頭を下げて頼みました。

その家には、五十才くらいの優しそうな奥さんが居ました。

その奥さんは「そうかい、東京から来たのかい、大変だったね。そんな格好では稚内では寒くて無理だよ。まあどうぞあたっていきなさい」と奥の方に通してくれました。

私がストーブにあたっていると、お茶やみかんなどいろいろと出してくれました。

そして大分親しくなり、身体も暖まったころ「私は稚内に宝石の商売をしにきたのです」と宝石を奥さんに見せました。

普通は警戒心が先に立つのですが、その奥さんは、私への同情心からか、話をよく聞いてくれ、そして自分の孫の話を目を細めて、嬉しそうに話してくれました。

そして、亡くなったご主人の話などを涙を浮かべながら話してくれました。

私も話を聞いているうちに、一緒に涙を流しながら一時間ほど話をしました。

それから自然に、宝石のセールスの話になり、結局当時のお金で三十五万円のエメラルドを買ってもらいました。

最初の「すみません。少々暖まらせてください」と家に入れてもらったことが、結局は商売になったのです。

そして次の訪問からは「すみません。寒いので少々暖まらせてください」と飛び込んで行き、ほとんど断られることはありませんでした。

結局その月は、目標の八百万円以上の八百九十万円を売り上げ、死なずにすみました。

このような経験を踏まえて、私は何をするにも力を抜かずに、全力投球しようとするくせが身についたのです。

何でも、一生懸命にやることです。

私は、それを実践したおかげで、いろいろな自分の世界を広げることができたのです。

人が訪ねてきて話をする時も、講演をする時も、力を抜かず同じように全力投球で話します。

そうすると、やればやるほど、新しい知恵やアイデアがどんどん湧き出てきます。

力をセーブしようなどと思っていたら、これほどいろいろな知恵やアイデアは出てこないでしょう。

常に、何事にも、惜しみなく自分の力を出して、全力投球することです。