1398.前世を知っても何の得にもならない

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者生き方教室より
若い人は自分の内面を深く知ることに、大変強い関心を持っているようである。

占いに関連するものがブームになり、催眠術で自分の潜在意識がどのようになっているかを知りたがる人もいる。

「前世退行催眠術」といい、催眠術師の誘導によって自分の年齢をどんどん下げていって前世まで遡り、そのときの状況を知る方法がある。

中には予約を取るのが難しいものもあるらしい。

この催眠術が好まれる理由は、自分の潜在意識を知ることにより、今の職業や役割が自分に適しているかを知ることができるからである。

しかし、催眠術というのは、一種の洗脳的な部分がある。

思い込みの要素が強いのである。

本来の自分は、なにも催眠術などかけてもらわなくても、「本当の自分」に目覚めれば自分の役割が自然にわかってくるのである。

だから、本当の自分で判断した方がよほど有意義である。

催眠術で前世を知ったといっても、本当に自分の前世なのか、それをどうやって証明するのだろう。

百人の催眠術師にかかって、みんな同じ前世が出るともかぎらない。

もしも、間違った前世が伝えられたならば、それ以降間違った方向に進んでいくこともありえる。

だから、催眠術で前世を知って、それを判断基準にするのは難しいのである。

もっと極論をいうと、前世が何であっても、そのようなことは今の人生を生きることと何の関係もないのである。

仮に、前世が何であるか言い当てられたところで、今生で何かしていただけるわけではないのだ。

大切なのは今なのだ。

私たちは過去や未来にこだわる前に、今現在この一分一秒を生かして生きることに全生命を傾けていくべきなのである。