1284.死から生を見てわかることとは

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。

私は、仕事や人間関係やいろんなことで障害にぶつかって苦しんでいる人がいると、最後にはこんなアドバイスをします。

「あなたもいずれは死ぬんですよ。死ぬという観点からものごとを観てごらんなさい」  生きている人はいずれ全員死にます。

どんな権勢を誇ろうが、どれだけ財宝を積もうが全員、例外なくすべてを置いてあの世に行かなければなりません。

必ず人生には限りがあります。

だからこそ、われわれはこの限られた人生のなかで一分一秒を大切にしよう、この限られた命をこの出会いを大切にしようとなるのです。

今日、いま、この瞬間を大切にしよう、もっと喜びをもって生きよう、と思うのです。

死を見ることによって、逆に生が光ってくるのです。

希少価値が出てくるのです。

一個のダイヤモンドを採るのに、何トンもの岩を削らなければいけないと思ったら、ものすごく希少価値が出てきます。

あなたの人生は人類の長い歴史からいえば、ほんの一瞬にすぎないのです。

あなたの生きている時間というのは、二度とない本当に大切なものなのです。

しかし実際にわれわれが、普段あまり死というものを真剣に考えないのは、一つには、死というものを悪いものとしてとらえる考え方があるからだと思います。

いいことだけを考えようというゆがんだプラス思考も原因しているかも知れません。

私たちはもっと真剣に、死というものと向かい合わせになることが大切です。

死というものを深くとらえるために、不謹慎かも知れませんが、葬式に喜んで行ってみることをおすすめします。

そして、故人の顔を浮かべて、生前のことを思い浮かべてみるのです。

たどった足取り、残した業績、人とのかかわり、与えた影響、あなたとのささいな会話、楽しかったこと、苦しかったこと、いろんな場面を思い浮かべて、故人を偲んでみてください。

その上で、故人は本当に悔いのない人生だったのだろうか、心から満足して亡くなったのだろうか、と考えてみるのです。

やがてそれらを自分自身にも置き換えてみるのです。

そこから必ずわき出てくる心があるのです。

その心からいまの状況を見てみるのです。

まったく違う考えが出るはずなのです。