1155.執着心からくる妄想を打ち破るには

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。

執着心が人間を不安や恐怖心で

ぐるぐる巻にしている

についてです。

モノとか金とかに執着していると、

不安がわき、

恐怖心に取りつかれてしまうのです。

つまり、

モノとか金に

振り回されてしまうのです。

ところが

その執着心を捨て去ってしまうと、

恐いものは何も無くなるから

大胆に何でもやれます。

私は三十代で

そういう生き方に変えました。

レストランのチェーン店を

大きくやっていた時には、

「経営を守ろう」、

「自分はもちろん、従業員たちの生活も

守らなければならない」、

「成功者という名誉もほしい」、

「大きな会社の社長だ」

という地位にも執着していました。

つまり

『守るもの』

がたくさんあったのです。

そのために

一日一日が寿命の縮まる思いで

生きていました。

それをある時から、

スパッと捨てました。

つまり

会社をすべて無条件で人に譲ったのです。

倒産したり、

経営に失敗したからではありません。

私の経営していた

レストランチェーンは

むしろ業績も伸びていたし、

店舗だって

どんどん増えつつありました。

普通に見れば順風満帆でした。

私が創業社長として、

店をどんどん増やし続けていたある時、

私は

「これが本当の自分の生き方なのか」

と自問しました。

そして、

「これは本当の自分の役割ではない」

と気付いてからは、

逆に苦しくなってしまったのです。

ところが、

いったん手放してしまうと、

今度は楽で楽で仕方ありません。

すべてを一からやれる。

守るものなど何も無いのだから

恐怖心も全然ありません。

自分の思うこと、

自然の生き方が

できるようになったのです。

では、

何故それが

なかなか出来ないのだろうか?

私は

心配と不安に取りつかれても、

「どうせ人間、

いつかは死ぬんだから」

と思えば楽になれました。

若い時から

いつもそうやって生きて来ました。

ところが、

悩める多くの現代人は執着心から来る

“悪い妄想”

に取り付かれてしまっているのです。

そして、

ここでいう“妄想”というのが

実は

最大のくせ者なのです。

今持っているモノを失う恐怖を

勝手に頭の中で想像し、

その想像上のことに

恐怖心を抱いてしまっているのです。

その結果、

様々な悲惨な失敗を

繰り返すことになります。

子育てに失敗し、

子どもを引きこもりにし、

不良に育て、

家庭内暴力が横行しています。

また、

名誉や地位ばかりを望む政治家が

後を絶たず、

秘書給与をごまかしたり、

贈収賄問題ばかりが目立ち

まともな政治がやれなくなっています。

つまり

悪い妄想なんかしていてはダメだ

ということの証明が、

今の日本の政治、

経済、

生活の混乱ぶりに現れているのです。

では何が必要なのか。

今必要なのは、

まず今までのモノをすべて捨てること、

そして

一から生き直す

『覚悟』

こそが必要なのです。

ガンになったらどうしようか、

このままいって家族がどうなるのか、

などといって

不安で一杯になってしまう、

これが妄想なのです。

「もういい、

最悪でも死ぬこと以上のことは

無いだろう」

ということを受け入れて、

腹をくくります。

こういった覚悟をして、

目の前のことに足を踏み込んでいく事が

執着心からくる妄想を

打ち破っていくことになるのです。