佐藤先生の言葉をお伝えします。著者幸せな結婚の法則より
昨日からの続きです。
真我で解決できない問題はない。
その言葉を裏付けるためにあえて難しい問題に取り組んでみようという気持ちから「依存症のための自立プログラム」を立ち上げ、一ノ瀬さん夫妻をサポートすることになりました。
薬物・アルコール・ギャンブルなど、依存症にもさまざまな種類がありますが、いずれのケースも現代医療では克服することが極めて難しいと言われています。
何人もの依存症患者と接してきてわかったのは、みなさん根本原因に“愛の不足感”があるということ。
依存症とは、愛が不足した分を薬やアルコールなどの代替物で埋めようとする行為なのです。
逆に言えば、真我と出会うことで心の中が愛で満たされれば、症状は確実に改善へと向かいます。
つまり、薬やアルコールを一切必要としない「本当の自分」に戻るのです。
翔太さんから相談を受けたとき、私は「飲んだら死ぬとわかっていても、あなたは薬を飲みますか?」とたずねたところ、「死んだ方がいいと思うから、多分飲みます」と答えました。
彼の場合はじっくり時間をかける必要があると感じました。
自立プログラムでは薬の代わりとして一時的に漢方薬を服用します。
「薬を止めなさい」と強いることはせず、どうしても飲みたいなら「どうぞ」と言います。
ここが通常の医療的措置とは大きく異なるところです。
患者さんにとって本当に欲しいものは「愛」ですから、愛に満たされた環境を整えることがもっとも大事なのです。
そのためには妻である志保さんの協力が不可欠でした。
夫を受け入れて愛と感謝を伝えるという、これまでとは真逆の行動をとってもらったのです。
志保さんは“夫を責める”という自らの心のクセと向き合い、それを乗り越えた結果、夫の素晴らしさに改めて気づいて二人が一つとなり、流れが大きく変わりました。
症状が劇的に改善しただけでなく念願の子どもまで授かったのです。
私と出会ってすぐのころから二人のあいだには夫婦生活がありませんでした。
真我と出会っていなければ離婚していたかもしれない、と言います。
ギリギリまで追い詰められた状態から180度転換して、かけがえのない命であるまりあちゃんを授かったのは、まさに奇跡と言えるでしょう。
翔太さんによると、中学校の教え子たちにも大きな変化があったそうです。
暴力的あるいは心を閉ざすなどの問題を抱えた生徒たちを、翔太さんは真我の視点から“完璧で素晴らしい存在”として認め、真剣に向き合いました。
その結果、生徒たちの才能がみるみる開花し、問題行動が激減。
クラスも自然と一つにまとまったそうです。
真我の光は自分から家族へ、そして周囲へと波及します。
困難を乗り越えて揺るぎない幸せを手に入れた一ノ瀬さん夫妻は、今後ますます家庭で、そして教育現場で愛と感謝の光を広めてくれることでしょう。