佐藤先生の言葉をお伝えします。著者幸せ夫婦間での争いや対立は、自分とパートナーを区別して考えることが根本にあります。
自分が正しいと思えば相手を責めたくなりますし、相手から責められれば反論もしたくなるでしょう。
うちの夫婦は絶対に争わない。
そう胸を張って言う人もいますが、それぞれ言いたいことを我慢して円満を装っているだけかもしれません。
もしそうであれば、感情を抑圧し続けることでいずれは爆発し、取り返しのつかない亀裂を生むことにもなるのです。
かといって、争いが絶えない夫婦は愛情が足りないというわけでもありません。
ソウルメイトとして魂レベルで結婚を約束してきた相手ですから、特別な絆で結ばれた間柄であることは間違いないのです。
人間の感情は複雑なものがあり、愛し合いたい欲求が強いほど、冷たい態度で相手を遠ざけてしまうという矛盾した行動に出ることがよくあります。
これは親に愛されたいために親を困らせるといった子どもの行動パターンにも似ています。
自分の存在価値を確認するためには、大切に思ってくれる相手が必要です。
それが子どものころには親であり、結婚すればパートナーになります。
人は誰かと信頼しあい受け入れあうことで心が安定し、人生をかけがえのないものとして感じることができるのです。
親から十分な愛情と精神面でのサポートを受けてこなかった人は、自分は愛される価値のない人間だと思い込み、心の傷をひきずったまま成長します。
大人になってパートナーが見つかったとしても、安心して相手を受け入れることが難しくなるのです。
ただし、親から愛されて育った人でも、いまの時代にネガティブな感情を持たない人などいないでしょう。
100点満点の人はいないと言いましたが、誰でも何かしら「弱み」を持ち、自信のなさを抱えています。
そして驚くことに、夫婦はたいてい似たような心の傷を持っていて、その問題を乗り越えるために出会ったとも言えるのです。