1568.夫婦の危機を乗り越えるには

真我日記

佐藤先生の言葉をお伝えします。著者幸せな結婚の法則より
結婚15年目を迎える専業主婦の西加奈子さんは、とにかく夫婦仲がうまくいかず、心身症にまでかかって「もう離婚するしかない」と思い詰めていました。

夫と一緒の空間にいるだけで息が詰まるような状況だったため、小学生の息子を連れて実家に戻り、数年間は別居を続けていたのです。

それでも互いの両親を同席させた家族会議の結果、息子のことを考え、夫とよりを戻すことにした加奈子さん。

そんなときに、彼女は友人に付き添われて私のもとへ相談に来てくれました。

「子どもが成人するのを待って、夫とは絶対に離婚します!」と言い切る彼女の表情からは、すでに夫婦関係は破たんしていることがうかがえます。

子どもが成人するまでの約10年間、夫婦間が冷え切った状態の家庭生活を送るにはどううまく乗り切ればいいか……というのが相談内容でした。

私は、加奈子さんにこう言いました。

「あなたはいま、神様からお試しを受けているんですよ。

夫を嫌いになってしまった原因はいろいろあるでしょうけれど、“離婚する”などと結論を早まらず、お子さんのためにも夫婦の問題に正面から向き合って解決していきましょう」

加奈子さんの夫は典型的な亭主関白タイプで、家では「メシ・フロ・ネル」以外の会話はないとのこと。

妻として、母として、どれほど家族に尽くしても感謝されたことは一度もないと訴えます。

「うちの夫は、稼ぎはいいけれど家庭をまったく顧みない仕事人間。

ご近所さんや友だちのご主人を見ていると、どんなに仕事が忙しくてもたまには家事を手伝い、週末には子どもの遊び相手をしてくれているようです。

夫には多くを望まないけれど、せめて人並みに家族のことを思ってほしい。

そう考えても決して罰は当たらないですよね!」

興奮気味に打ち明けてくれた加奈子さんは、よほど夫に対してストレスを溜めているようでした。

「そうですか。これまでずっとつらい思いをされてきたのですね。

ただし話を聞いていると、加奈子さんはご主人に対し、一般的な夫として・父親としての役割を求めすぎているように思います。

自分が思い描く理想の夫像と比較して、ご主人に“夫とはこうあるべき”という思いを押しつけてはいませんか?

もしそうだとしたら、“こうあるべき”という加奈子さんの意識が“いじわる門番”となって、ご主人を受け入れないのだと思います。

相手を変えようとするのではなく、まずは自分が変わりましょう。

“いじわる門番”を“ウエルカム門番”に変えるには、ご主人の弱みを自分がどうカバーできるか考えて実践していくことです。

そうすれば妻としての自分を引き立たせる結果にもなりますよ」

さっそく加奈子さんには「強さと弱さのワーク」を実践してもらうことにしました。

明日へ続く