1560.喜びのモチベーションを持ち続けるには

真我日記

佐藤先生の言葉をお伝えします。著者悩み解決明快答より

「欲望のモチベーション」には限界がありますが、「喜びのモチベーション」には、限界がありません。

「喜びのモチベーション」とは、「今この瞬間、瞬間に、自分の中にあふれる喜びを表現しようとする意志のはたらき」のことです。

また、「喜びのモチベーション」においては「現在を喜び一杯で生きる」こと、それ自体を生きる目的とします。

ですから、喜びを表現しながら生きれば、そのとき目標は達成されています。だから、限界がないのです。

そして様々なことを通して「心が磨かれて成長していく」ことが、何よりも喜びなのです。

本音をそのまんま出し切って、目の前のことに、自分の役割として、ただ精一杯自分を表現していく、この喜び。

本当は何かが手に入らなくても、あなたは毎日喜びだけで生きることができるのです。

何か新しいものをも手に入れなくても、あなたはすでに素晴らしい人であり、幸せであるという事実があるのです。

むしろそこが、あなたの出発点なのです。

今この瞬間、この瞬間に喜びで生きていくことができるのです。

何かを得られなくても、何かを失ってもそこから「喜びのモチベーション」に切り替えることが可能なのです。

その事実をお話します。

私のところに、数々の会社を転々としてきた男性が相談にきました。

彼が会社を辞める大きな原因は、いつも、上司とうまくいかないことでした。

非常に人間関係にトラウマを持っていて、人と話すことも怖い状態でした。

その彼が、私のアドバイスを受けるうちに、心がどんどん変化していったのですが、現実面はなかなか思うようにいかず、仕事の状況はすぐに変化しません。

ついに社長から「このままならクビだ」と言われてしまいました。

しかし、彼は、私が本書で紹介した悩み解決の法則を実践したり、私のアドバイスを受けるうちに、心はその現実とは関係なくどんどん変わってきました。人と話をすることも大好きになってきました。

「人生で体験するあらゆることは、良いと思うこともあれば、悪いと思うこともある。良いことは喜べるけど、悪いと思われることも、そのことで自分は成長してるじゃないか」
「いや、むしろ、悪いと思われることのほうが、精神的にずっと自分を成長させてくれていたじゃないか。そして、よりすばらしい体験ができる今につながっているじゃないか」
「その結果として自分の役割がわかってきたんじゃないか!」

そんな気づきとともに、あるとき、パチンとはじけるように何かが動き出したそうです。
そこから彼の人生は、天と地がひっくり返ってしまいました。

仕事場も笑いでいっぱいになりました。

お客さんにこっぴどく断られても、本当に心から「教えていただいてありがとうございます」と思えて、喜べるそうです。

成約できたら当然嬉しい。感謝が込み上げる。そして断られても、そのことで心が磨かれ、成長できることがなお嬉しい。

人が大好きになり、そんな心で営業していたら、やがて営業成績も数々の奇跡のようなことの連続で、成約になることがたくさんありました。

あまりの変化に彼もびっくりしたそうです。

「どうなってしまったんだろう…」と思うこともたくさんあったそうです。

現在、彼は仕事も充実して、人との出会いを毎日楽しんでいます。

これからがスタートだと思って毎日歩んでいます。

彼のようになかなか現実が変わらなかったり、ましてや社長から「クビだ」なんて言われたりしたら、つい落ち込んでしまうものです。

行き詰ってしまうものです。

しかし、彼は一見マイナスと思われるような出来事が起きても、それに動じなかった。

たとえ社長にクビだと言われても、それに動じずに、もっと根底にある「心が磨かれ、成長していく喜び」や、「人と話すのが楽しい」という喜びのモチベーションが土台となっていたのです。

ですから、現実はなかなかうまくいかなくても、決して不幸ではないのです。

先ほどもお話しましたが、それをとらえている心が大切なのです。

何かを得られたら本当に幸せなのかというと、決してそうではないのです。

そこから欲にとらわれてしまう人もたくさんいます。

「喜び」といっても単に「嬉しいこと」をやるのと同一に見ないで下さい。

自分の好きなことだけ、都合のよいことだけを選んで「喜んでいる」のは、ただの良い所取り、ご都合主義にしかすぎません。

好きなことをやることは大切です。

しかし、その好きなことの中にも、けっして楽ではない、なかには苦しいこともあるかもしれません。

そのときに、良い所取りだけをしていたら、後々に大変な苦しい道を歩むことになってしまいます。

「嫌いなもの、苦しいことを克服することに喜びをもつ」と、そのことによって心は磨かれるのです。

包丁は砥石との摩擦で磨き上げられます。

それと同じで、心というのは、摩擦によってしか磨かれることがないのです。

摩擦を克服し、磨き上げる作業の裏側には、それまでになかった新しい力が兼ね備わってきます。

見えないところで新しい力がついてきているのです。

仮にあなたが今非常に苦しい状態にあったとします。

苦しいと、つい苦しい方に目がいってしまい、新しく力がついている方を見落としてしまいます。

ですから、新しく力がついている方をみると喜びになります。

苦しみと喜びは同時にやってくるのです。

しかし、無理やりに喜んでも仕方がないのです。無理やりに思おうとすると、自分にウソをつくことになります。

そうではなくて、「克服することが喜びを生む」という事実を知ることが大切なのです。
その事実を知れば、誰でも心から喜べるのです。

この事実、真実を知らないから、苦しんでいる場合もあるのです。

これからは「喜びのモチベーション」の時代になってきます。

スポーツ選手でも「練習が好きでたまらない」という人が活躍している時代です。

好きでもない練習を必死にやって「勝ちたい。金メダルがほしい。チャンピオンになりたい」という発想ではやっていけません。

練習そのものが喜びになっている。

目の前にあることを楽しんで、しかも好きでこなしていく発想。

結局は喜んでやっている人にはかなわないのです。

この「喜びのモチベーション」にしたがう生き方が、私の言う「喜びの生き方」です。
そして、私の悩み解決の法則すべての土台となっているものです。

もともとあなたの中に喜びがありますから、あなた自身が喜びそのものになることができるのです。

そうすると、先ほどの磁石の法則によって「喜びの磁力」で喜びを引き寄せることができます。

あなたの周りには、どんどん良いことが起き、どんどん素晴らしい出会いが訪れます。

すべての「悩み」は喜びに変えられるのです。