佐藤康行の言葉をお伝えします。著者生命の覚醒より
以前こんなことがありました。
私の講座を受講された方の中に、十九歳で髪の毛が全部抜けてしまっている娘さんがいました。
可愛いお嬢さんでした。
最初に講座を受けられたのは、彼女のお母さんでした。
講座を受けてすっかり幸せになったお母さんは、家に帰ると、娘さんに向かって「あなた、幸せ?」と聞きまいした。
すると、娘さんは「フン、私なんかいいの!」といって、部屋にこもってしまいました。
その時、お母さんは「ドキッ!」としたというのです。
「私は自分のことしか考えていなかった!」と気づいたのです。
それで、すぐに私の所に電話をかけてきました。
「佐藤先生、是非うちの娘と会ってあげてください!」
娘さんは、部屋にこもりっきりでしたから、私は部屋まで会いに行きました。
そして、彼女に「どうして、頭がそんなふうになっちゃったの?」と問いかけると、彼女は少しずつ心を開いて答えてくれました。
「子どもの頃から、お父さんとお母さんがケンカばっかりして、怖くて怖くて…。それで髪が段々抜けちゃったんです」
お母さんは心のことに目覚めてきているのですが、お父さんが、土建屋さんで、全くそういうことには興味がありませんでした。
「そんなもの、勝手にやっておけ!」といって、まるで相手にされないのです。
ただ、お酒を飲んで、ワーッと騒いでいるのが好きな人なのです。
それで私は、お父さんの隣に座って話しかけました。
「お父さん、娘さんの頭が禿げているのは、なぜだかわかりますか?」
そうしたらお父さんは「うん、何か変なシャンプーでも使ったんじゃないか」と答えるのです。
私は、(これはダメだ!よし、ケンカしてでもわからせてやろう!)と思いました。
「お父さん、何をいっているんですか!娘さんは、お父さんとお母さんが子どもの頃からケンカして、それが怖くて怖くて禿げたっていっているんですよ!」
すると、突然、そこに彼女のお姉さんが飛んできて、お父さんの前に正座して、ボロボロ涙を流しながら訴え始めました。
「お父さん。私も妹と同じ気持ちだったのよ!」
さっきまでお酒を飲んでいたお父さんは、娘の話にびっくりして、ピタッと酒をやめ、黙りこんでしまいました。
私も続けていいました。
「あなたが、大黒柱なんですよ。あなたが変わらなきゃ変わらないよ!いいんですか。このままでは、死ぬに死ねないじゃないですか!娘さんがこんなに落ち込んで、どうするんですか!あなたの娘さんなんですよ」
そうしたら、遂にお父さんが「わかった…。オレも一回佐藤さんの講座を受けてみる」といったのです。
結局、お父さんと娘さん二人が受講することになったのです。
お父さんは、少し苦労されましたが、最後には真我に目覚め、ワーッと泣き出しました。
それを見た娘さん二人も、「お父さーん!」と抱きついて、三人で大泣きしていました。
それから、完全に家族は一つになりました。
精神世界と現実とは別物だと思っている方が多いのです。
しかし、決して別ではないのです。心の問題と現実の問題は一つなのです。