佐藤康行の言葉をお伝えします。著者成功と幸福を呼ぶ言葉より
頭で知っているということは知識の世界なのです。
専門的な経済学を学んで、知っていると思っている人が実際の商売をしても、上手くいかないことが少なくありません。
それは、現実の今の社会は常に変化し続けていますし、人の思考や私たちを取り巻く環境も変わり続けていて、全体として見ると学んできた経済学は、ほとんど適応できないからなのです。
知っていると思っていることによって、素直に学べないことが多いのです。
逆に、知らないと素直に学べるのです。
商売のことを一番よく知っているのは、お客様そのものなのです。
お店でも、お客様のことを一番よく知っているのは新入社員なのですが、本人は知らないと思い込んでいるのです。
商売をしている人は、だんだんお客様のことを知らなくなる危険性があります。
離れていくのです。お客様が離れていくのではなくて、勝手に自分の方で、お客様から離れていくのです。
知らない人が一番知っていると言うことに気づくことです。
知っていると思った瞬間にもう、知らない世界に入っているのです。
知らないということは、素直になれることなのです。
まっさらなのです。
知らなければ、他人に言われて、ああそうか、そう思うのかと受け入れられるのです。
知っていると思っている人は、先入観が邪魔をして、これに対してはこうなんだと言い張ることがあるのです。
先入観とは、過去の思い、過去の体験であり、今の事態とは全然違うことなのです。
ですから、まっさらな素直な心、これが一番尊いのです。
本来は、年齢がいけばいくほど、経験を積めば積むほどに逆に素直になっていかなければいけません。
それだけ白くなっていかなければならないのです。
まっさらな、素直な心になる努力をしなければならないのです。
学問においての頭のよい人というのは、あまりよい仕事ができなかったりする場合が多々あるのです。
それは、常に物事を捉える時に、頭を通過させることに慣れているためなのです。
物事を考えてから、行動しやすいのです。
人間は、商売でも何でも、そこから何かを、感じ取らなくてはならないのです。
お客様は、理屈ではなく、感じ取って買う場合がほとんどなのです。
普段私たちは、好きか嫌いかで言葉に表わし、何となく肌が合うか、合わないかで行動しています。
感じ取る心を頭でいくら考えても分かりません。
料理は、おいしそうかどうかで食べます。
理屈で、何という成分が入っているから食べようという場合はほとんどないのです。
感覚で判断しているのです。
その感覚を大切にすることに目を向けることです。
感覚というのは、いろいろなものを知っているということではなく、自分の感ずるありのままのことなのです。