佐藤康行の言葉をお伝えします。
深い心でものごとをとらえるようになると、目に入ってくるものがまるで違って見えてくるものです。
ある会社に勤める四十代の男性I・Tさんは、もともと大変短気だったと話してくれました。
会社に年下の上司がいたのですが、その上司から注意をされたり、口うるさくいわれたりすると、すぐにカーッと頭に血が上っていたのです。
仕事以外でもそういう性格で、人から気に入らないことをいわれると、すぐに機嫌を損ねていたようです。
ところが、彼はあるときを境に心の状態がまったく変わったのでした。
自分一人の立場から見るのではなく、会社全体あるいは、世のなか全体というように、より大きな視野でものごとをとらえられるようになったのです。
そうしたら、その若い上司から同じようなことをいわれても、全然頭にこなくなったのです。
そればかりか、この人はこういうふうに考えているのか、このあたりがまだ勉強不足なのかな、などと考えられるようになったのです。
例えば、あなたが芸術性の意識が高くなってくると、いままで大したことがないなと思っていた絵が素晴らしい絵に変わってしまいます。
ピカソの絵を見て、「あんな目が横についている絵、どこがいいんだろう」と思っていたのが、震えがくるくらい感動する絵に見え方が変わってしまう可能性があるのです。
前は花を見ても別に何とも思わなかった人が、意識が高くなったときに、花の一輪一輪が素晴らしく美しく見えることもあるのです。
絵や花そのものに、美しさや素晴らしさがあるのではなくて、あなたの心のなかに、美しさや素晴らしさがあるのです。
その証拠に、犬や猫は絵を見て美しいとは思わないでしょう。
自分自身の心が変われば、意識が変われば、モノの見方も変わり、人格までもが変わるのです。
そして、あなたの周りに起こる出来事や周りにいる人たちさえも、素晴らしく感じることができるのです。
この世がこのままで、この出来事のままで、素晴らしく感じることができるのです。
また逆に、苦しいものだと感じることもできるのです。
どのように受け止めることができるかは、あなたの心の状態いかんなのです。