1123.過去は自由に変えられる

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。

一般に言われる「過去は変えられない」という場合と、「過去は自由に変えられる」という「過去」の概念には、大きな隔たりがあります。

「過去は変えられない」という場合の「過去」は、通常「出来事」そのもののことを意味するようです。

例えば、「事故にあった」「試験に落ちた」「離婚した」など過去に起きた事実のことになります。

それは当然ですが、変えることはできません。

ゆえに、過去は変えられないということになります。

しかし、「過去は自由に変えられる」場合の過去というのは、事実そのものではなく、出来事が起きたときに感じた印象、認識、感情という、その出来事をどう捉えたかという捉え方のことを意味します。

実は、私たちは起きた出来事というより、そのときに感じた印象を認識として記憶に留めてしまいます。

出来事とそのときに感じた印象をリンクさせて記憶するのです。

そして、その刻み込まれた記憶と同じような出来事に遭遇した際に、出来事にリンクされた印象や感情が溢れ出てくるというわけです。

つまり、何かを見たとき、誰かに会うとき、何かが起きたときに、自然に沸きあがってくる思いが、人生のあらゆる場面での自分の判断材料になっているのです。

これが、心理学でいう自動思考の原理です。

トラウマなどは、その最たる例といえますが、記憶された印象、認識が、目の前に展開する事象に対する心の反応として影響を与えているというわけです。

心の病の根本の原因を探る場合にも、やはり、この自動思考に起因しているケースがほとんどといえます。

特に顕著に現れる例としては、人間関係でのストレスの場合です。

人生というのは、基本的に全てが人間関係に起因しているといっても過言では有りません。

職場、家庭、親子、夫婦、友人など、その人間関係において、ストレスに感じる要因としては、特に幼少期の人間関係、つまり両親との関係に起因していることが多いようです。

両親との関係というのは、自動思考の仕組みで明らかなように、出来事そのものではなく、印象のことです。

例えば、幼少のころ、父親に厳しく言われたことで、恐怖を感じた記憶を持つ人の場合をみて見ます。

この人は、「父親に厳しく言われた」ことに対して、「怖い」という感情、印象がリンクされて、記憶となっています。

すると、あらゆる場面で、「厳しく言う人」に対して、「怖い」という感情が出てくる可能性が大きいわけです。

これが、精神疾患における代表的な根本原因といえるでしょう。

ではこれを、修正するにはどうしたら良いのでしょうか?

それは、「過去を変える」しかありません。

「出来事にリンクした印象、認識の過去」を変えることなのです。

このアプローチには、もう一つの急所があります。

それは、一体何なのでしょうか?

続きはまた明日。