佐藤康行の言葉をお伝えします。
「人間は何でできているのか?」ということについて考えてみてください。
粘土でできた人形が壊れた時には粘土で修復しますし、鉄でできた人形は鉄で修復します。全て同じ素材で修復します。
もし「人間は何でできているのか?」ということがわかれば、私たちを変えることが可能になのです。
では一体、人間は何でできているのでしょうか?
「人間はほとんどが水分とたんぱく質でできている」、
「人間は細胞でできている」、「人間は素粒子でできている」、
「人間は遺伝子でできている」
いろんな意見があるかもしれませんが、いずれも物理的な発想に過ぎません。
実は私は、「人間は記憶でできている」と捉えています。
記憶でできていると捉えた時に、さまざまなものが見えてくるのです。
そして、記憶でできていると捉えれば、人間を変えることが可能になるのです。
記憶というのは過去のものです。
私は昔、講演などに呼ばれると、常々こんなふうに言っていました。
「人生には変えられることと変えられないことがあります。変えられないことは自分の過去と他人です。変えられるのは自分の心構えと自分の未来です。だから、同じ努力をするなら、変えられることをやりましょう!」
ところが、より追究していくと、どうもそうではないということに気がついたのです。
「過去は変えられない」のではなく、「過去は変えることができる」のです。そして、過去を変えれば未来も自動的に変わるのです。
逆に言えば、未来は過去を変えない限り変えられないのです。
もちろん私たちは、過ぎ去った過去の事実を変えることはできません。しかし、過去の記憶を変えることはできるのです。
さまざまな記憶によって形成された自分の性格、心の状態、価値観を変えることはできるのです。