1749.過去を背負ってきた山本剛史さんは語る5/5

真我日記

写真は駅の近くで食べたランチのあんかけ焼きそばです。具材たっぷりで美味かったです。  
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佐藤先生の言葉をお伝えします。著書過去は自由に変えられるより
山本剛史さんとさゆりさんのエピソードは、すべて実話です。

この二人、いえ亡くなった美里さんを入れて三人のお話には、人が「本当の自分」に気づいて幸福に生きるための秘密や真実が含まれています。

そして、ほとんどの人は過去に生きている、ということを示す好例でもあります。

山本剛史さんは、私のカウンセリングがきっかけとなって、過去を変えました。

それまでの彼は「忘れないでね」と言って死んだ美里さんとの約束を真面目に愚直に守ろうと生きてきた。その心はとても美しいものです。

しかし、美里さんという存在の真意は、本当はそうじゃない、と気づいたのです。

それまで自分は彼女の想いを守っているつもりだったけど、逆にずっと自分が守られていたんだ、ということを。

しかも、守られていたのは自分だけじゃなくて、今の妻であるさゆりさんのことも守ってくれていたのです。

なぜならば、亡くなった彼女がいなかったら、今の妻との出会いもないのですから。

剛史さんが過去の意識を変えたことで、昔の彼女が大きく彼の味方になって働いたのです。

だから、今の妻との幸せを作ってくれたのは、過去の彼女です。そして、そのことを最も喜んでくれているのが、今の妻であるさゆりさんなのです。

さゆりさんは、彼のような誠実な人、不器用な人にとても好感を持ちました。

自分も不器用なところがあるので、出会った剛史さんのような男性が自分にとって大事な人だと感じ、剛史さんの不器用さを素晴らしいと思ったのです。

だから、亡くなった美里さんを好きな剛史さんを、「そのままでいい」と言えたのです。
そして、美里さんの本当の願いである、自分が幸せになることを選択していくのです。

これは、過去を変えることで起きた一つの奇跡です。

ですが、実は私の周りにはこういった奇跡のような体験が、山ほどあるのです。

というのは、実は奇跡に見えて、こうした出来事は起こるべくして起こっているからです。

あなたが過去を変えると、どんなに素晴らしい体験があなたに降り注ぐか、という格好の例として、山本さんのお話をご紹介したのです。

私のカウンセリングから、彼は亡くなった彼女の存在を塗り替えました。

その結果、まるで運命が動き出したかのように素晴らしい女性が現れました。過去の剛史さんの体験は何ひとつ否定されず、そこに新しい愛が訪れる。

一見、出来過ぎにさえ見える運命のストーリー。

でもこれは彼らの本当の自分が導いた、完璧なシナリオなのです。

山本さんのカウンセリングを初めて行ったとき、人間の心に起きている法則について説明をしました。

私たちがいかにこの「心の法則」に振り回されているかということを、知っていただくためです。

それは、一般的には「原因と結果の法則」と呼ばれているものです。今目の前に起きている現象には必ず原因がある、というものです。

人間の心に起きている出来事で、原因の存在しない結果(現象)はありません。

例えば、あなたの目の前に起きている出来事がスクリーンに映る映画だとしたら、その映画を映し出しているフィルムがあります。

スクリーンに映る映画……つまり、現象として起きる出来事(結果)が、いくら気に入らないからといって、そこに手をつけようとしても、もともとそれを映し出している原因のフィルム(心)そのものを変えなければ、延々とその映画が続くことになるのです。

いくらラブストーリーを見たいと思っても、フィルムに戦争の物語が入っていたら、スクリーンをどれだけ変えても、映る映像は戦争映画だけです。

そして、フィルムには撮影現場があるのです。

その撮影現場は、ほとんどがあなたの過去にあります。

それは最近の記憶なのか、子供の頃の記憶なのか、もっと前の遺伝子の記憶なのか、どの記憶なのかはわからないけれど、とにかく過去のマイナスな記憶が蘇ってくる。

このことを、潜在意識、DNAの記憶ともいいますが、このマイナスの記憶を何とかしないと、どうしてもマイナス的な心が湧いてきてしまうわけです。

山本さんの場合は、子供の頃に「自分が正直に関わると大切な人を傷つける」と思ったことや、いじめられた体験から、周りの人間は敵だと思うようになってしまいました。

それらがフィルムに焼きついているから、目の前の光景(スクリーン)にも自分が思い込んでいる現象しか起きない。

そうすると、いつまで経っても幸運はやって来ないのです。

こうした過去のマイナスの記憶があると、いくらポジティブシンキングや成功哲学を聞いて、それを頭にインプットしても、潜在意識はびくともしません。良い教えをどんなに聞いて学んでも、潜在的に刻まれた記憶は絶対に消えない。

例えば、子供の頃、親から差別されたり、虐待されたと思っていたら、いくら「親孝行しなさい」とか「親には感謝の気持ちを持ちなさい」などと教えられても、そうはなりません。

逆に、教えられれば教えられるほど、親に感謝できない自分が苦しくなってきます。それが自己嫌悪になり、やがては自己処罰をするようになってしまう。

前向きな教えを学べば学ぶほど、かえって苦しくなってしまうのです。