佐藤先生の言葉をお伝えします。著者宇宙意識で因縁を切るより物事には「善」と「悪」というものがあります。
では一体、何が善で何が悪なのでしょうか。
戦時中は、日本は正しくて、アメリカやイギリスを“鬼畜米英”と言って、彼らを殺すことが良いことだと国民は信じていました。
自分が正しいと思ったところからケンカは始まります。
「ああ、私は間違っていた」と思えば、ケンカになりません。
私も、社会に出た時には無一文の皿洗いから始めましたから、自分の信念というものが強く、大変負けず嫌いでした。
必ずいずれは日本一のレストラン王になってやろうと誓っていましたし、実際に一時は何千万の店を毎月オープンするまでになっていました。
ですから超ワンマンだったのです。
また、ワンマンでなければやっていけない部分もありました。
それゆえに、精神的に大きな壁にぶち当たりました。
あまりにもワンマン過ぎて、人を受け入れたり信じることができず、そのため、心のドアが閉まっていったのです、パタパタパタ……と。
そして心が真っ暗闇になりました。
船がウワーッと座礁するイメージが眼の奥に浮かんだりするのです。
もう自分が怖くて仕方がありませんでした。
「指一本触れないで人間は死ぬことができる」と、その時はっきりと認識しました。
猛烈に心の世界を勉強し始めたのはそれからでした。
それは、自分自身を救うためでした。
そしてある時、私は一人の哲学者の言葉を聞いて大きな気づきを得たのです。
それは、「自分が正しいと思った瞬間から、間違いが始まる」という言葉でした。
それを聞いた時、私は悲鳴を上げました。
「あー! 私の欠点はこれだ!」と。
それまでは、私は自分が正しいという観念がものすごく強かったのです。
自分が正しいと強く思っているうちは、すべての相手が間違って見えます。
そのことに気づいてから、パタ…パタ…パタ……パタパタパタと一気に心の扉が開いていきました。
それまでは、八方塞がりに思えていたのですが、頭上が開いていったのです。
ポーンと魂が上に上がった感じでした。
私が今、心のことをみなさんに伝えているのは、私自身が命がけでこういった体験をしたからなのです。
私が気づいたのは、善・悪の世界ではなく、その奥にある人間の善悪を越した世界、愛そのものです。
ここに気づくしか、私たちにはもう解決策はないのです。
これは人間の考えではない、心の本質、宇宙の法則、絶対法則、まさしく宇宙意識です。
そこに目覚めることなのです。