1607.薬物へ走らせてしまう要因

真我日記

佐藤先生の言葉をお伝えします。著者幸せな結婚の法則より
昨日の続きとなります。

自立プログラムを進めるにあたって変わることを求められたのは、当事者の翔太さんよりもむしろ志保さんでした。

「薬は悪いものであり、やめるべきだ」という妻としての当たり前な思いや言動が、実は夫を追い詰め、薬物へと走らせてしまう大きな要因となっていたからです。

私は、納得できない様子だった志保さんにこう伝えました。

「自分が“正しい”と主張すれば、結果的に相手を裁くことになります。

ご主人の薬物依存症についても、自分ではなく夫に問題があると考えれば、あなたは被害者意識に陥ってしまうでしょう。

実際にも、志保さんはご主人に対して常に厳しい目を向けていますよ。

現実に起こることは、100%自分の問題としてとらえてください。

相手を変えようとせず、ただひたすらに自分自身が変わることを実行するのです。

そのためには、いままでとは真逆のことをやりましょう。

ご主人の素晴らしさを見つけて、言葉で伝えてください。責める言葉から褒める言葉へ変えてほしいのです」

アドバイスを受けた志保さんは、必死で自分を変えようと努めました。

すぐには夫を責める気持ちを捨てることはできなかったそうですが、志保さんが態度を変えると、翔太さんの薬の摂取量が減り、心身ともにラクになっていったのです。

そんな夫の様子を見て志保さんは、自分が変われば現実がよくなることを認めていったのです。

「悔し涙が出ることもしょっちゅうありましたが、それは夫のせいでなく、変わりたいのに変わることができない自分自身への苛立ちからでした。

ときには夫に感情をぶつけることもありましたが、夫はいつも私の怒りを穏やかに受け止め、共感してくれました。

そんな体験を重ねていくうちに、夫への信頼と感謝の気持ちが戻ってきたのです。

やっぱり問題なのは夫ではなく私のなんだと改めて気づかさました」