1576.結婚への怖れを克服した夫婦3

真我日記

佐藤先生の言葉をお伝えします。著者幸せの結婚の法則より

昨日の続きとなります。

妻の菜月さんもたまたま『男と女の真理コース』に参加していました。

幼いころに親から「女だから○○しなさい!」とか「もっと女らしく!」など言われ続けてきた菜月さんは、男性に頼らず一人で自立して生きていくことを望んでいました。

夫婦関係で苦労しているケースをたくさん見聞きしてきたので、結婚に夢などもてず、男性は自分の人生のお荷物でしかないと思い込んでいたのです。

この日『男と女の真理コース』のセミナーへ参加したのも、出会いを求めてというよりは、一人で生きていくための強い精神力を養いたいという目的からでした。

異性に関心はなかった菜月さんでしたが、和也さんの話を聞いたときは「これほど一途な人だったら、すぐに素敵な彼女ができるでしょう」と思ったそうです。

その相手が自分だとは想像もしないことでしたが。

セミナー終了後、菜月さんは和也さんに声をかけ、「これからあなたと出会う女性は、元の彼女に感謝すると思いますよ」と素直な感想を伝えました。

和也さんは、その言葉が何よりうれしかったそうです。

和やかに会話をしている二人の様子をみて、そばにいた人が「二人は同じオーラで包まれているよ」と言ったとき、はじめてお互いを意識するようになったと言います。

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和也さんはたびたび食事に誘い、菜月さんも快く受け入れて、二人はじょじょに親しくなってお付き合いがはじまりました。

もともと男性を見る目が厳しかった菜月さんは、和也さんに対してきつい言葉をぶつけることもありました。

たとえば、レストランでのデートの際に「何でも好きなものを頼んでください」という和也さんに対して、「男だったら自分で決めて!」と言ったこともあるそうです。

「気の強い私のことを、そうだね、ごめんね、と彼はいつも笑顔でやんわりと受け止めてくれます。

そんなやり取りを繰り返すうちに、彼のことを“頼りがいのある人”と思うようになりました。

最終的には、私からのプロポーズでゴールインしたのです」

結婚生活についても、菜月さんはこう語ります。

「私のなかに“夫婦はこうあるべき”という気持ちがあるので、つい夫へ不満を言ってしまうこともあるのですが、そんな私を夫はありのままに受け止めてくれています。

夫と出会うまでは“表面は女、中身は男”のような生き方をしてきた私ですが、結婚生活のなかで彼を信頼し、お任せする気持ちが芽生えてきました。

いまは夫が主で、私が従。その関係が心地いいのです。

これからもしっかりと彼を支えていきたいです」

ところで、あるセミナー中に“いじわる門番”の事例として山城夫妻の話をしたときのことです。

突然、菜月さんは私にこう言いました。

「亡くなった彼女のことを、あまり“いじわる門番”と言わないでください。

だって、彼女が夫の心のなかに居てくれたからこそ、長い年月を経て私たちは出会うことができたんです。

彼女は、夫のことをずっと守っていてくれました。

私にとっては“いじわる門番”どころか、大恩人なのです」

菜月さんの言葉に、会場は拍手で包まれました。

和也さんにとっては、過去のすべてが調和されて宝物となった瞬間でした。