佐藤康行の言葉をお伝えします。著者成功と幸福を呼び言葉より
人間が成し得てきた科学の進歩には目を見張るものがあります。
確かに文明や技術では、歴史を追う毎に発展してきました。
これらは頭の世界、知識の世界なのです。
しかし、心の世界については、キリスト教や仏教などにおいても、何千年も前からのテーマを今だに永遠のテーマとして論議しています。
技術や科学などの頭の世界は、次世代に上積みして残せますが、魂は上積みできません。
魂は一人一人が自分自身で開拓していかなければなりません。
人間は、一回の人生の間に自分の心を成長させていかなければならないのです。
一般的に教育というと、頭の教育のことだけを指しています。
学校教育そのものが頭の教育中心にしか向けられていないのです。
しかし、人間には頭の教育と心の教育が必要なのです。
頭の世界と心の世界のバランスがとれて、初めて知識や技術が活きてくるのです。
そのためには、頭の教育以上に、心の教育に目を向けていかなければならないのです。
教育制度そのものが、知識を詰め込むことを重視し、心を開拓していくことにほんのわずかしか注意を払っていません。
この結果として、今の世の中は、心が頭を支えきれなくなってきているのです。
頭の世界で考えだされたものを、使いこなしていく心が伴っていないのです。
これは非常に危険なことなのです。技術革新などによって、現代の武器や核などの破壊力は、地球を簡単に消滅させるほどになっています。
しかしながら、これらの武器や核を使う人間の心は、技術革新と比較すると、ほとんど進歩していません。
様々な分野の技術進歩が著しい現代こそ、心の教育が大切なのです。
政治の世界においても、政治家に今一番必要なのは、心の教育なのです。
どれだけ知識があるか、どれだけ経験があるかではなくて、豊かな心、はっきりとした展望と哲学を持って、愛と感謝の素直な心で物事を見れるか、世界的観点から見れるか、心の底から世界をよくしようと思っているのかという視点から、私たちのリーダーは選ばれるべきなのです。
物の豊かさを追求してきた時代から、心の豊かさを追う時代に変わりつつあります。
環境問題が騒がれていますが、森林の乱開発や海の汚染などは、技術的な解決を考えていても全く無駄なのです。
一時的に技術や科学などで解決しても、必ずまた新たな問題が起こってきます。
現象を見て、そこを改善しようとしてもだめなのです。
それらの問題を引き起こしている人間の心に目を向けて、その心を改善しなければ次々と同じような問題となって現われてきます。
地球を救えるのは、唯一、私たちの一人一人の心が地球を大切にして、浄化していこうという思いになる以外にはないのです。
心の教育こそ二十一世紀に向けて必要な教育なのです。