1452.人生とは自分の心を開拓し続けることだ①

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者成功と幸福を呼ぶ言葉より
私は、あることをきっかけとして、セールスに対する考え方、商売に対する考え方、人生に対する考え方が根本的に変わりました。

この体験で私の物事に対する考え方が根本的に変わったと言えるような体験でした。

その体験とは、私が宝石のセールスをしていた二十三才の時のことです。

ある地方の中華料理店の奥さんに宝石のセールスをしていた時のことです。

その奥さんが指輪を気に入ってくれて、今にも売れそうな雰囲気でした。

私は内心で『よし、もう一息だ、もう一息で売れるぞ』と思って一生懸命にセールスしていました。

その時に、その家のドアチャイムが鳴ったのです。

〝ピンポーン〟奥さんが「どなた~」と言うと、「○○自動車の吉田です」という声が聞こえてきました。

大手自動車会社の三十代半ばのセールスマンが入ってきました。

私はこの奥さんとは初対面でしたが、そのセールスマンは奥さんと顔見知りでした。

しかし、私の方が先客でしたから、かまわずセールスしていました。

そのセールスマンは私の隣に座り、私に名刺を見せてくれと言うので、私は自分の名刺を出しました。

そのセールスマンは、私の名刺を見て、私の顔と名刺を見比べながら言いました。

「あなたみたいな若い人が、何十万とか何百万円という宝石を持って歩いても売れないでしょう。

奥さん、宝石はもっと信用できる所から買わなくてはだめですよ。

こんな石っころだか何だか分からない物を、どこの馬の骨だか分からない人から買って、万一トラブルが起こったらどうするのですか」

その言葉で今までのムードが完全に壊されました。

中華料理店の奥さんは「そう言われればそうね。買うのはまた今度にするわ」とすっかり買う気をなくしてしまいました。

上気していた顔がすーっと醒めていくのがはっきり分かりました。

今度にする、というのはもういらないということです。

自動車会社のセールスマンは、同じセールスマンでありながら、今にも売れそうだった私のセールスの邪魔をしたのです。

私は、カーッと頭に血が上りました。

『ふざけやがって、いくら自分の会社が大手で有名だからといって、人の会社や人のことを馬鹿にすることはないじゃないか。このやろ~』

私はよほどこのセールスマンを表に連れ出して殴ってやろうかと思いました。

しかしなぜか私は心のブレーキがかかったのです。

『待てよ!私は自分を磨くためにセールスの仕事をしているのだ。このセールスマンと喧嘩しても何も得られないではないか』

私は心のチャンネルを切り替えました。

『よし、考え方を変えよう。このセールスマンに売れなかった責任を取ってもらおう。

責任を取ってもらうということは、このセールスマンに宝石を買ってもらうことだ。

よ~しそれも、何が何でも絶対に、殺されても今日中に買ってもらおう。明日とかあさってとかではなくて、今日中に絶対に買ってもらおう』

と心に誓いました。

私は、はっきりとした目標を持ったのです。