下幸之助さんが晩年、ある記者から「成功の秘訣は何ですか?」と質問をされたときに、「素直になることですな」とひと言で答えたと聞いています。
素直な心というのは、やはり大成功者の共通して持っている特徴のようです。
素直な人というのは、決断が早いのです。
例えば、自分が失敗し、「あんたここがおかしいよ」といわれたとき、「あっ、本当におかしかった。すみません!」とパッと謝って、すぐそれを過去のこととしてしまうのです。
そして今度はそれをノウハウにして、それを活かして次のことを実行するというようにじつに切り替えが早いのです。
だから私は、いつもありのままを出すということを心がけています。
ありのままの自分をそのまま出すのです。
ありのままの心を出せば、そのまま返ってきますから、悪い言葉を吐いたら、悪い言葉が返ってくるのです。
逆に、相手に喜んでもらおうと考え、そのように行動すると、やはり相手もこちらを喜ばせようという言葉や空気を返してきます。
ありのまま心を出すことが大切なのです。
もし自分の心を作って出すと、作ったものが私だと思って相手から返ってきますからわからなくなるのです。
お面をかぶって自分の顔を鏡で見ても、お面をかぶっているから顔の汚れている部分がわからず、拭けないのです。
しかしお面をガバッと外せば、素顔を見て、どこが汚れているかすぐにわかるから、そこをサッと拭けばいいだけなのです。
簡単なことです。
だからありのままやるということが、一番自分を成長させやすい。
素直になるということが一番の生きていくうえでのコツなのです。
恥をかくなら、ありのまま恥をかいたほうがよい。
失敗するなら、ありのまま失敗したほうがよいのです。
上司に対して取り繕ったり、謙虚そうに振る舞ったりする必要はないのです。
その方が百倍楽ですし、自分がよくわかるのです。
つぎからどうしたらよいのかわかるのです。
素直に本当の自分の無限の力を信じ切り、人に素直に感謝の気持ちを伝え、人を真っ白な気持ちで愛することができると、ここ一番というときに、本当に信じられないような力が出てくるのです。
素直さは、仕事を発展させ、生活を充実させるための最も大切な鍵なのです。