佐藤康行の言葉をお伝えします。
目標というとすぐ仕事の目標のことと考えられますが、仕事の目標の前に、まず人生の目標というものを明確にすることが重要なのです。
我々人間は生きています。
生きているということは、動物も植物も、もちろん人間も、すべて何かの目的があるのです。
目的がなくてただ生きているということはないのです。
私が当時経営していたフランチャイズのステーキ店「ステーキのくいしんぼ」を70店舗までに拡大しました。
会社の方は順調に伸びていたにも関わらず、私は極端な神経的スランプに陥ったのです。
心が生き生きせず、目の前が真っ暗でした。
「おまえは何をやりたいのだ。
金が欲しいのか、出世したいのか?
一体何がやりたくて朝から晩まで頑張っているんだ」と自分に問いかけてみました。
それらは、ないよりあったほうがいいに決まっています。
しかし、それらを全部手に入れて本当に幸せなのかと問いかけたら何か物足りない、何かきっと虚しくなるような気がしたのです。
では、絶対に虚しくならないものは何だろう、と考えたのです。
一度しかない人生を「ああ、おれの人生は良かった。最高だった」といって、あの世に行く人生とは何なのだろうかと考えてみたのです。
店を何千店舗出すとか、一千億円企業にするとか……。
でもそれは何か深いところをついていないような気がしたのです。
それで、「何なのだろう、何なのだろう」と、三日三晩、自問自答し続けてみました。
そしてようやく答が二つ出たのです。
一つ目は自分を高めること、二つ目は人に喜んでもらって自分も喜ぶこと、でした。
世のなかには悩んでいる人や、本来の自分を出し切れないでいる人が多い。
まずは私自身が昨日より今日、今日より明日と自分を成長させることにより、そういう人たちにすばらしい影響を与えていくのだと、それも具体的に行動していくのだという人生の目標を持ちました。
これが私がいまやっている真我開発講座や講演、その他の活動すべての目標になっているのです。
そしてこの人生の目標が明確になってからはもう迷うことはなくなりました。
人生の目標をはっきりさせた上で、仕事や私生活を考えていけば、おのずと仕事の目標や私生活のあり方が明確になってくるのです。