佐藤康行の言葉をお伝えします。
日本のビジネスマンは、いわゆる「会社人間」が多いといわれています。
いわば、会社が人生のすべてであるかのようなサラリーマンたちのことです。
いま、終身雇用がガタガタと音をたてて崩れだし、リストラが始まると、明日はわが身かとリストラにおびえるサラリーマンが急増しています。
そして、そういう人たちは本当にそういう憂き目にあったら、自分の人生はお先真っ暗だと思ってしまいます。
そのようなサラリーマンの方々にはっきりいいたいことがあるのです。
「会社のことは一度全部捨てなさい」と。こういったら、おそらく次のような反論が返ってきそうです。
「ちょっと待ってください! そんなこと突然いわれても、それは無理ですよ。
いままで何十年も会社のために尽くしてきて、私のいままでの人生は会社がすべてのようなものです。
転勤のたびに子供たちに寂しい思いをさせてきたし、忙しくて家庭のことを振り返れず、女房にも苦労をかけた。
数えきれないほどの犠牲の上に私なりに頑張ってきたんですよ。
それを、会社のことを一度捨てるだなんて、そんなに単純に割り切って考えられるような問題ではないですよ!」 確かにそうでしょう。
いままでのように会社が一番大切なものならば……。
では本当にみなさんにとって、一番大切なのは会社ですか?
そうではないですね。
一番大切なのはみなさんひとりひとりの人生ではないですか?
いま一度、自身の人生について考えてみる必要があるのです。
二度とない一度の人生なのだから、これから残された時間に何をすべきなのかを真剣に考えてみる必要があるのです。
自分自身の人生観、生き方をしっかりこうだと確立した上で、会社なり何なりを見ていく必要があるのです。
そしてそのためには、一度立ち止まって、私は必ず死ぬのだ、ということを三日三晩くらい真剣に考えてみるとよいのです。
そこから必ず出る答えがあるのです。
そして、もはやこの会社にいても自分を活かせる場所がない、という結論が出たのならば、あなたの方から辞表を出して、会社からリストラされる前に、あなたから会社をリストラしてしまえばよいのです。