1258.俺は命を賭けて店をやっているんだ!

真我日記

佐藤康行の体験した話をお伝えします。

私は、四谷に九坪の小さな店を構えました。

しかし、最初は全然お客が入りませんでした。

十六時間、お店を開けていて売上が一万円とか二万円ということもありました。

それは辛かった。

脅かされたこともありました。

見るからに良くない風体の怖い三人がカウンターに陣取って、「マスター、インベーダーゲームを入れて欲しいんだけど」と言われ、

「そういうことはみんなお断りしているんですが」と返事をすると、

「頼むよマスター、一台でいいからインベーダーゲームを入れてよ」

「私の知り合いでもそういうことをやっている人がいるのですが、みんな断っているんですよ」

「頼むよマスター、握手しようよ」とどんなに言われても私は徹底的に断ったのでした。

そうしたら、その三人は何時間もしつこく粘るのです。

そうしてその怖い顔をした三人のうちの一人が、「ああ、この店も明日で終わりか…」と言うのです。

その時私は頭に血が上りましたがぐっと耐えて、ニコニコして(お前たちは命をかけて来ているか、俺はこの店を命をかけてやっているんだ。インベーダーゲームを一台入れるのに命をかけて来ているか)と心の中で思いました。

勿論言いはしませんでした。

心で思ったのです。

そして、従業員に「おい、包丁錆びたのを研いでおけ!」と大きな声でわざと言ったのです。

相手を脅かしてやろうと思ったのです。

そうしたら、それから間もなくして帰って行きました。

そして、もうそれからは来なくなりました。

あの時に自分の信念、考え方を持っていたから負けなかったのです。

セールスマンをやっていて、それなりの収入を得ていたにもかかわらず、それを捨てて九坪のお店を開き、そしてチェーン展開をしようとして頑張り、それが軌道に乗り始めたら社長の椅子を譲り、こういう心の学校をやり始めたのです。

これも今考えるとしようがないことだったのです。

わからない力が働いているのです。

私にとって、それはとてもいいことでした。

私はレストランを持つために宝石のセールスをやったのですから、そういうことができたのです。