860.与える喜び

佐藤康行の言葉をお伝えします。

人間には与える喜びがある
についてです。

人間は、人からものを
受け取る喜びがあります。

そして一方、人にものを
与える喜びもあります。

両親や親戚から
プレゼントをもらって、
大喜びした経験は
どなたにもあると思います。

クリスマスやお正月など、
待ち遠しかった人も多いでしょう。

一方で、親からすれば、
そんなあなたの喜ぶ顔が、
なにより嬉しかったのです。

人間には、もらう喜びとともに、
与える喜びもあるのです。

もらう喜びを知っているからこそ、
与える喜びがあるのです。

人は、この二つの喜びを経験しつつ、
成長することが大切です。

これが継承というものです。

人から受けたものを、より磨き、
より価値あるものにして、

後代に伝えるのが
現在を生きている
私たちの使命です。

困るのは、
もらうことばかり考え、
与えることをしない人です。

こういう、がめついタイプは、
一時的には財を
作ることもありえますが、
長い時間のうちには挫折したり、

何かの理由で消滅したり
することでしょう。

あらゆる情報やエネルギー、
価値あるものは、
常に流れているものです。

それを独り占めしようとして、
いいわけがありません。

もらう喜びは、表面的には
物欲の喜びであることが
多いでしょう。

しかし一方で、
与えてくれる人の愛情が
そこにこもっていることも感じ、
愛される喜びでもあります。

与える喜びとは、
人が喜ぶ表情を見たい、
喜んでもらいたいということで、
愛の発露といえるでしょう。

そして私たちは、
受け取る喜びも
もちろん結構ですが、
与える喜びをより感じられる
人間にならなければなりません。

それこそが、真我からの喜びです。

真我とは愛そのものですから、
他者の喜びを
我が喜びとするのです。

私たちは先人から
膨大な贈り物を受け取り、
生きています。

これらの贈り物を、
より豊かな美しいものとして、
後代に譲り渡す義務があります。

そして当然ですが、
先人が残してくれたものに、
感謝の念を忘れてはなりません。

私たちは、先人が
いなければなにも
できないのです。

もし自分ですべて
できるとしたら、

私たちはおそらく
傲慢になるでしょう。

先人がいてくれることは、
私たちが傲慢になることを
防いでくれるのです。

「先人のおかげで……」
ということで、

自我にとらわれることから
解放されるのです。

こうして先人から後代へと、
愛の流れを中断させないのが
私たちの役割です。

そのためにも、
与える喜びを
覚えなければなりません。

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