854.有利が不利、不利が有利

佐藤康行の言葉をお伝えします。

有利なことは不利、不利なことは有利
についてです。

日本人は表現が曖昧で、
いいたいことをいわない
国民であるといわれています。

直接的なことを口にして、
摩擦が起きるのを
回避する傾向があるのは、
皆さんもお感じだと思います。

こうした国民性は国際社会では
不利になることも多く、
そのために損をしていることも
多くあるでしょうが、

本当に自己主張ばかり
していいものでしょうか?

戦後の日本人は
西欧に憧れるせいか、
自己主張という言葉に
進歩的なものを感じますが、
何か勘違いはないでしょうか。

たしかに日本人は主張が
弱いかもしれませんが、
かといって

自分の利益のためには
平気でウソをついたり、
強引な論法で人を
陥れたりするような人間よりは、
はるかに真我に近いのでは
ないかと思えてなりません。

利益のためには
戦争も辞さない国が、
世界にはいくらでも
あるようです。

そういう国と、
同じ土俵に上るのは
愚かではないでしょうか。

自分の利益ばかり、
権利ばかり主張する人間を、
皆さんも今までの人生で
少なからず
目撃されてきたと思います。

その人は、その後、
幸せになりましたか?

挫折を経験したり
しませんでしたか?

利益や権利は幸せではなく、
幸せにたどりつくための
道具であるのに、むしろ
道具ばかりに目が行って
いるのが近代の、というか
西欧的な人間に思えてなりません。

インテリは
個人主義的な言動を
よしとしますが、

それが行き過ぎると
何でも裁判で
決着をつけねばならない、
アメリカのようにも
なってしまいます。

日本人は、たしかに
集団主義で派閥好き、
ベタベタつるむ
悪弊もありますが、

共感能力に優れて、
他人の心中を察する
洞察力に優れている
といういい方もできます。

こうした特性は、
同質性が高いからこそ
持ち得る能力です。

日本人は個性よりも
他人と同じことを
重んじる国民です。

他人と自分の間に、
線を引かないのです。

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