佐藤康行の言葉をお伝えします。
私は常日頃、先見力よりも「先変力」を身につけなさい、ということをいっています。
先見力とは、先に起こることを見通す力のことですが、「先変力」とは、未来を変える力のことです。
その方が大事なのです。
経済評論家が世界経済の潮流や、国際政治、為替の動き、消費の動向などさまざまな状況を分析して、だから一年後はこうなる、と経済予測をたてます。
これは先見力です。
しかし、この先不景気はますます深刻化するでしょう、と予測して、そのことによってますます人々の心が暗くなり、さらに不景気に拍車をかけることもあります。
予言者がその人のいまの心の状態を見て、このままだとあなたはこうなる、と予言をします。
心を見ることができたときに、その人の将来がわかると私は思っているのです。
しかし、仮に「あなたは一年後に死にます」といわれたとしたら、どうでしょうか?
そういわれた瞬間から暗示にかかってしまう可能性があります。
体もどこも悪くなくても、そのことによってわざわざ自分で病気をつくってしまうかもしれないのです。
先見できたとしても、未来がいいときはいいのですが、いまのように悪いときは、ますます悪いほうに拍車がかかってしまうのです。
ところが私のいっている「先変力」とは、未来を変える力ですから、悪いほうへ向かっていることがわかったら、軌道を修正することができるのです。
それではどうしたら「先変力」を身につけられるのでしょうか?
それは、心を変えることなのです。
心を変えると未来が変わるのです。
いま乗っている電車は、全然行きたいところと違うところに行ってしまうということがわかったら、早く電車を降りて、本来の目的地に向かう電車に乗りかえるのです。
いまの現実は、いままでの自分の心の状態がつくりあげているのです。
ということは、いま思っている心の状態がそのまま今度は未来に現実として現れるのです。
自分の心の状態を深く見つめてみる必要があります。
心の状態を変えないかぎりは、そのまま同じ電車に乗って、決められたところに行ってしまうだけなのです。
自分の心の状態を根本的に変えるのです。
まさに生まれ変わるしかないのです。