1535.大目標の法則

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者「悩み解決明快答」より
飛行機がまちがうことなく確実に目的地にたどり着くのは、管制塔が目的地と飛行機との位置関係を正しくつかんでいて、飛行機に対して必要な指示を出しているからです。

人生における意思決定も同じです。

あなたが握る心の操縦かんの適切に操作するためには、そして確実に目的地にいたるためには、管制塔が要ります。

管制塔は、目的地と飛行機との位置関係をはっきりと把握しています。だから、管制塔は、パイロットに的確な指示を出せるのです。

人生において、管制塔を持つとは、目的意識を持つということです。

目標が定まっていると、何をするべきかが自ずと明確になります。

すると、あれこれ思い悩んだりぼんやりしたりすることなく、その行動に意識を集中できるからです。

たとえば、旅行をするときにも、目的地を決めて、はじめてルートが決まります。

仮にあなたが東京に住んでいるとします。北海道へ旅行すると決めれば、あなたはまず羽田空港に行かなければなりません。

また、アメリカへ旅行すると決めれば、あなたはまず成田空港に行かなければなりません。

目標を決めてはじめて、その目標を達成するために何をするべきかが分かります。

ですから、目的意識をもつことが重要です。

たとえば、人に会うとき、その人に会うのは仲良くするためなのか。それとも一緒に仕事して、良いものを作り上げるためなのか。

あるいは、夫婦は、喧嘩するために結婚したのではなく、仲良くするために結婚したのでしょう。

ある会社に入ったのは、その会社の社長の理念が気に入って入社したのであれば、その理念を実現するためだといえます。

そうした大目的に常に焦点をあわせるのです。

今から十数年ほど前の正月のことです。

私は、自宅でじっとして三日三晩、自分にこう問いかけていました。

「お前は何が欲しいのか」と。

当時、私は、すでにレストランを何店舗か経営しておりました。そして、将来は、絶対成功して、億万長者になるという確信を持っていました。

では、その成功というものが、自分が本当に望んでいるものなのかと、自分自身に問いかけたのです。

「お金も欲しい。出世もしたい。名誉も欲しい。全部欲しい。…でも、だけど何か足りないな。何が足りないのだろう。何だ。何だ。何だ」。

三日間考え続けました。そして、やっと三日目に、「ああそうだ」と分かりました。

「俺は、将来、たくさんの人にいい影響をあたえられるような人間になりたいんだ。多くの人にいい影響を与える、このことこそ一番胸が騒ぐことだ。一番心からやりたいことなんだ」。

私は、こうして、私の人生の大目標を、自分の中から発見したのです。

私は「何のために」ということを突き詰めて考えぬきました。

そのなかで、「本当にやりたいことは何か」という、私の人生最大、一世一代の悩みは、氷がとけるように消えてなくなったのです。

自分の人生でこれから歩む道がはっきりすると、それだけで大変な喜びが湧き上がります。

たった一度の人生を、本当に胸がワクワクするようなものにすること、本当にやりたいことをやるということ、このことは人生で最も大事なことです。

そのためには、一番大きな目的を常に意識することが必要です。

これが、管制塔を持つということなのです。

目的意識をきちんと持っていないと、何かが起きたときに感情的になって、その状況に流されたりもします。そうなると、飛行機の行き先、目的地を見失ってしまうのです。

行動するうえで最も大切なポイントは、この「何のために」という目的意識をしっかり持つということです。

究極の目的、大目標が、明確に定まれば、あなたは、心の操縦かんを自由にあやつって、その大目標を目指すことができます。

逆に言えば、大目標が分からないまま進もうとすれば、どちらへ行ってよいのかはっきりせず、迷いながらフラフラとさまよい続ける人生になってしまいます。

ぜひ心に管制塔を持ってください。そして、常に人生の最終目的地を意識してください。そうすれば、どちらに進むべきか思い悩むこともグッと少なくなります。

最終目的地が決まれば、取るべきルートは自然に決まります。