1461.経営の数字は愛の結晶だ

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者成功と幸福を呼ぶ言葉より
以前、私を訪ねていらした方で、自分は日本一数字に強い、と自負される方がいらっしゃいました。

公認会計士の人々に、いろいろな講義ができるほど数字に関しては、自信満々の様子でした。

数字に関する本も何冊か出版しているとのことでした。

そこで私は、その方に質問をしてみました。

「先生、数字って何からできているのですか」

すると、答えが出てこないのです。

「この世にある全てのものは、何かからできていますよね。では、数字は一体何からできているのですか。先生のおっしゃる数字というのは、むろん会社の数字ですから、売り上げとか利益とか経理だとか、そういうもののことを数字っておっしゃいますよね。それでは、その数字は一体何からできているのですか」

そういう質問を投げ掛けたら、一言も答えられなかったのです。

会話の次元が違うからです。

「先生、数字というものは、結果じゃないですか。結果をいくらさわっても、結果は結果で変わらないのではないですか。結果をいろいろとさわってみても経営者は喜ばないのではないですか。経営者は誰でも、数字を創造することに一番関心があるのではないのでしょうか。どう売り上げを伸ばすか、どう利益を上げるかということに関心があるのではないのでしょうか。先生、数字というのは、愛でできているのです」

と私は言いました。

その先生は一瞬、キョトンとしていました。

お客様を思う気持ちで一生懸命に商売をすれば、お客様もお店に対して、好感を持ってくれます。

例えば、食事をするお店だとしたら、おいしく、早く、安く、感じがよい、ということで固定客になってくれます。

そういうお客様の数が売り上げになるのです。

会社に例えれば、社員が会社を思う気持ちから、無駄をなくそうという考え方で行動して、経費を低く押さえられるように努力します。

売り上げから経費を差し引いた差額が利益になります。

経営者は経営者で、社員を思う気持ちで経営すれば、よい社員が入社して、一生懸命に働いてくれるようになります。

それらが数字となって、業績となって現われるのです。

数字というのは、実は愛であり、性格であり、人間性そのものなのです。

そこの所に目を向けなければ、結果の数字をいくらさわったとしても何ら効果がないのです。

根本をさわって、数字を変化させるのです。

お客さんのことを思って手を打てば、それだけ数字が上がるのです。

売り上げが伸びない、利益が上がらないのは、実は愛が不足しているからなのです。

それが数字となって現われてくるのです。

「本当の数字作りとは」

売り上げ、利益は過去の努力の結果としての数字
地域で一番いきたい店と思わせるのが、未来の数字

過去の数字は事務所でも見られる
未来の数字を作るのは現場でしか出来ない

過去の数字だけ見ているとバブルになる
未来の数字を自らの力で変えるのが本物の経営者、商人、それは不況に強い

過去の数字は他人や社会のせいに出来る
未来の数字はすべて自分の責任

過去の数字だけを見ていると求める心だけ起きる
未来の数字だけを見ると与える心だけ起きる

過去の数字だけ見ていると成長しない
未来の数字を変えようと思うと夢がふくらむ

過去の数字だけを見ていると周りが変わるのを待っている
未来の数字だけを変えようと思うとまず自分が変わる

過去の数字は反省の材料
未来の数字を変えるのは改善

過去の数字だけを見ると、人に対して傲慢か引け目になる
未来の数字を変えようと思うと勉強、教育を大事にして、本当の謙虚になる

過去の数字を変えようとすると、見えるものだけを大事にする
未来の数字を変えようとすると、見えるものだけでなく見えないものをもっと大事にする
過去の数字だけを見て話をすると社員はさぼる
未来の数字を変える話をすると喜んで働く

過去の数字は誰にも変えられない
未来の数字は人によってすべて変わる

過去の数字だけを見ると店は自分のものと思う
未来の数字を変えようと思うと店はお客様のものと思える

過去の数字だけ見て反省しないと思考が停止する
未来の数字を変えようと思うとチャレンジ精神が湧く

過去の数字だけを見ると人の欠点だけが良く見えて批判に回る
未来の数字を変えようと思うと感謝に変わりすべてが好転する