佐藤康行の言葉をお伝えします。著者生き方教室より
世の中には、ユダヤ人によるユダヤ商法や、中国人による華僑商法というのがあって、それぞれ独自の方法でビジネスを展開している。いずれの商法も長い歴史のある伝統的な商法である。
ところが、日本ビジネスは華僑商法とユダヤ商法を模倣したものだから、オリジナルなものが何もない。何もないから話にもならないと、批判する人もいるようだ。
しかし、私はそのような批判は気にすることはないと、言いたい。
「何もない」というのは、何とか商法という名前がないだけではないか。名前がないから何もない、ということであって、独自のビジネスをしているのならば、それに名前を付ければよいだけのことである。
どの商法が良いとか悪いとかは別として、実際に世界全体を見ると、日本ほど急速度で豊かになった国はない。
物質面ではダントツなのだから、日本ビジネスが話しにならないというのは、全く問題外である。
確かに、世の中にはいろいろな商法があり、どうしたら少しでも金儲けができるかのノウハウを説いている。
しかし、今後は「仕事とは何か、ビジネスとは何か」という原点に立ち返って、考えることが重要な要素になるのである。
何のために仕事があるのか、金儲けなのか。
人に喜ばれて、自分も喜ぶといったことなのか。
こうした原点に戻って考え、もっと「人間性」を念頭に置いた仕事、ビジネスにしていかなければならない時代に来ているのである。
人を騙して巨額の金銭を儲けることが利口なやり方であるといっているような、金儲け主義的の風潮が果たしていつまで続くか。
また、このようなやり方でビジネスを展開している人たちが、長期的にわたり幸福で暮らしているのか、一度考えてみる必要があるのだ。