佐藤康行の言葉をお伝えします。
自動車部品メーカーを経営するM・Nさんは、私との出会いによって仕事のしかたが大きく変わった一人です。
当時は、この不況のあおりを受けて会社の経営が下降線をたどっていたのです。
彼自身も、起こっている問題を解決するためにどうすればよいのか考えあぐねていました。
しかし、その後、彼は大きく変化を遂げ、徐々に会社を建て直しているのです。
「いままでは、問題があると、解決方法が何通りかあったんです。そして、どれを選択すればいいか、なかなか判断できなかったのです。ところがいまは、解決方法はこれ一つしかないという感じなのです。自分自身のなかにある宇宙の心で観ていくと直観でスッと浮かんでくるのです。答は一つ、これでいこう! という感じで悩まなくなりました。前のままの自分でしたら、いま頃会社はつぶれていたんじゃないでしょうか」
目の前に道が二本あったとします。
一本は崖につながっている、もう一本は黄金の丘につながっているとします。
そのときにスッと先が観えたらどうでしょうか?
もう判断力も決断力も勇気も何もいらないのです。
ですから観える目を養うのです。
では、どうしたら観える目を持てるかというと、ポイントがいくつかあるのです。
まず、先入観をなくす、ということです。
誰か人と会う前に、さんざんその人の悪口を聞いてから会ったとしたら、悪い人にしか見えなくなります。
ところが、その悪口が全部ウソだとしたらどうでしょうか?
大変な大間違いを犯す可能性があります。
心の過去の記憶のことを業とかカルマといいますが、それらをきれいにそうじすることです。
そのときに初めて、内在する宇宙の目から観えてくる世界があるのです。
二つ目は、目先の損得に振り回されない、ということです。
十万円くれるという人と、二十万円くれるという人がいたら、どうしても二十万円の方を選んでしまうものです。
しかし、その奥に隠れているものをとらえることできなければならないのです。
小さな欲で選ぶのではなく、大欲で選ぶということです。
そして三つ目は、人生単位で考える、ということです。
会社のなかに人生を入れるのではなく、すべてのものは、人生のなかの一部なのだととらえるのです。