不安で不安で仕事が手につかない、という人がいます。
自分が会社で認められるだろう かという不安、本当にやりたい仕事ができるだろうかという不安、生活の不安、結婚相手が見つかるだろうかという不安、子供の不安、老後の不安、健康の不安……考え出したらきりがないほど不安はあるかもしれません。
私は、不安でやるべきこともできないという人には、その不安を一度、全部紙に書いてみるようにすすめています。
不安から不安を解決することはできないのです。
悩みから悩みを解決することはできないのです。
頭のなかだけでそれを考えていると、だんだん妄想になって勝手に膨らんでいく可能性があります。
紙に書いてしまえばそれ以上は膨らまないのです。
いったんすべて紙に書いてしまうと、今度はその横に解決策を書いていきます。
そうやっていると、じつは解決策は無限にあることに気づくのです。
ですから、実際、徐々に解決の方向に向かっていくのです。
それに紙に書いているうちに、「なんだ大したことじゃないな」と思うようなことも結構でてくるものです。
でも、案外私たちはささいなことで不安に思って行動ができなくなったりするものです。
そして不安も細かく分けていくと、それほど取るに足らないことかもしれません。
あれもこれもあるから、得体のしれない大きさになってしまっているだけなのです。
その得体の知れない不安というものの正体を明らかにすれば、それだけで全然違うのです。
「いまのままでは会社からクビを切られるかもしれない」という不安だとしたら、それをもう少し細かくくだいていきます。
「今度の人事異動まではまず問題はないが、それ以降はわからない」「クビになったら、転職先があるかどうか不安だ」「失業保険が半年間給付されるので、その間は大丈夫だが その後が不安だ」……というように書き込んでいくのです。
そうすると具体的な不安の内容と、それに対処する方法が少しずつ見えてくるはずです。
大切なことは、不安があるときにそれを解決しようと焦るのではなく、まずは不安感を解消することなのです。
そのためには、紙に書きだしてみるのが一番いいのです。