873.真我を開く

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。

一人ひとりが真我を開く必要がある
についてです。

藤尾秀昭『小さな人生論』
(致知出版社)に、
次のような一文があります。

藤尾秀昭氏は
『致知』という雑誌の編集を通じて、
現代の優れた経営者の謦咳に
接しておられる方ですが、

その藤尾氏が傑出した
経営者に関して
述べている言葉です。
 
『致知』の取材を通して
数多くの経営者に接してきたが、
一業を成した人には、
突出して二つの共通した
要素があるのを
感じないわけにはいかない。

一つは「価値を見出す力」である。

自分の置かれた環境、
そこに結ばれる縁、
携わる仕事等々に、
多くの人はさしたる感興も覚えず、
それらはたまたまのもの、
ありきたりのものと
見なしがちである。

だが、一業を成した人は
そこに独特の強烈な価値を見出すのだ。
(後略)

このように、何事かを成した人は、
与えられた環境を
漫然と受け止めることなく、
そこから最大のものを
引き出す意欲に満ちていると、
説明しています。

大きく事業に成功し、
人に喜ばれ、自分自身も
生きがいに満ちた人生を
送っている事業家は、
真我に近い人生を送っていると
考えて差し支えないでしょう。

というよりも、こうした人たちは
事業経営を通じて
真我を掘り出していったような
人たちということができます。

経営者として生きることを
生まれる前から決めてきて、
そして真我からのメッセージを
基に経営上のさまざまな
決定をしてきた人たちです。

ただお金がほしいと、
株価の上下に一喜一憂して
財テクに走ったバブル期の
多くのニワカ金満家とは
根本的に心のあり方が違います。

真我の導くままに行動し、
決定し、歩んできた彼らの考え方は、
多くの人々の参考になります。

ほとんどの人は、与えられた環境を、
さほど考えもなく受け入れ、
その中で日々生きているといえます。

環境から最大の価値を見出す、
という努力は非常に意識的なものであり、
日々の雑事にただ押し流されるだけの
姿勢から生まれるものではありません。

「自分はなんのために生きているのか」
「自分がやるべきこととはなにか」

こうした日々の自問自答が
必要なのです。

環境とは、別のいい方をすれば
周囲から与えられたものであり、
ダイヤモンドの原石です。

そこから何を学び、何を育て、
何を後に伝えるかが問われています。

私たちは現在、
未曾有の試練の時代に
生きています。

この試練を本当に切り抜けた暁には、
素晴らしい時代が
待っていることでしょう。

そうした時代を招来するためにも、
一人ひとりが真我を開く
必要があるのです。

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