869.生命を生かし切る

佐藤康行の言葉をお伝えします。

全生命を出し切って生かし切る
についてです。

日本は世界の大脳、などというと、
外国の方は反発するかもしれません。

しかし、国家にはそれぞれ
個性というものがあり、
それを自覚し、尊重することが
調和の原則です。

日本は大脳ですが、
心臓にはなれません。

心臓には、もっとエネルギーのある
国がふさわしいでしょう。

また、脚にも手にもなれません。

こうした部位は、もっと若々しい、
新興国が向いているの
ではないでしょうか。

チューリップはチューリップ
として咲くべきであり、
バラを羨んではいけません。

チューリップもバラも、
それぞれ美しいのです。

国それぞれに個性があります。

個性を思いっきり開花させてこそ、
美しく、真我の声にも沿うのです。

個性を活かすといえば
聞こえはいいですが、
実際は本当に大変な、苦しい作業です。

個人のことでいえば、
人間は自分の個性を
引き出すのがまず難題です。

生まれつき、天才的な才能があって
この分野ならば誰にも負けない
というのならばわかりやすいのですが、

そういう人ばかりではありませんから、
多くの人が試行錯誤の末に
自分にふさわしい道を見つけます。

しかし、それだけではまだまだです。

本当に世の中に役立つ個性とは、
生半可なことでは鍛えられません。

これと見定めたら、
徹底的な修練が必要です。

この場にいる自分自身から、
自分の命の中から
すべてを引き出すような、
全人的な努力が必要です。

この場に全生命を出し切るくらいの
気持ちで、全生命を
生かし切らない限り、

たとえ一時的には
何かの勢いで成功しても、
生涯にわたり自分の人生を
支えるほどのものには
なり得ないでしょう。

環境が悪いとし、
何かが足りないなど
というのは甘えです。

本当の個性ならば、
天はあなたにすべてを
用意してくれているはずだからです。

日本という国家も、戦後、
私たちの親やそのまた親世代の
人間がまさに命懸けで
働いてくれたおかげで、
今日の地位を得ました。

こうした先人の努力を継承し、
私たちの代でさらによい国を
作ることが求められているのです。

日本の個性とは、
人間性であると私は思います。

軍事力でなければ
国際舞台における
政治力でもありません。

人間に対する信頼と、
決して諦めない精神力、

そして
飛び抜けた勤勉性と知力と、
そして精神力で、

世界を目に見えない力で
リードするのが
日本の役割ではないでしょうか。

個人にも真我があるように、
国にも真我があるかもしれません。

しかしそれは、あくまで
個人の真我を通して
発露するものでしょう。

これからの世界は、
すでに持っている知識や、
頭だけの観念、頭だけの経験では
どうにもならない時代を迎えます。

問われるのは魂です。

天が与えてくれた魂を自覚し、
自分一人の利害を超えて、
人類すべての利益に向けて
奉仕する人物こそが、

心ある人々に注目され、
リーダーとして迎えられるのです。

20170927-083534.jpg