304.つかんで離さないもの
にも書きましたが
部長は私が会社を辞めると言ってからも毎日のようにあれはやったのか?引き継ぎはどこまで出来た?あれは出来たのか?と細かく聞いてきていました。
だから部長に用がないなら早く帰れと言われたことが私は悔しくて悔しくてしょうがなかったのです。
そして部長が私を手放そうとしているなら、私も部長を手放さなければいけないと思いました。
私はお世話になった会社に貢献したいと思い、たくさん残っている有給休暇をあまり使うつもりはありませんでした。
でも、部長がそこまで言うなら休もうと決意し、次の日有給休暇願いを出しに部長のところに行きました。
私「部長、明日休ませてください。」
部長「何でだ?何があるんだ?」
と怪訝な顔をして顔を上げた。
私「住民票を取りに行ったり、手続きのことでいろやりたいことがあるので。」
部長「それだったら、他の休みの日でも事足りるんじゃないの。」
私「明日1日休むくらいなら引き継ぎに何の影響はないと思いますけど。」
部長「何でそんなことがわかるんだ!」
(本当に部長は私のことわかってない!あんたが用事がないなら早く帰れ!と言ったから私は休みをとるんだよ!)
と心の中で思いながら、私は不機嫌な顔丸出しで
私「とにかくお願いします。」
と言った。
部長は納得いかない顔で舌打ちをしながら、有給休暇願いにハンコをついた。
部長「本当に最後までわがままだね。」
私「・・・。」
(くそじじい!死ねばよいのに!!)と心の中で叫びながら私は席に戻った。
私はやっぱり部長にわかってほしい、愛してほしい、認めてほしいをやってしまっている。部長もまた私に気持ちをストレートにぶつけてくる。
わかっちゃいるけど、やっぱり私は部長にわかってほしい、認めてほしい、愛してほしいんだな~。
私はその日一日ため息をつきながら仕事をして、帰路についた。
会社を辞めるまで後16日。私は部長との間で何に気づいていくのだろうか。
(第15話へ続く)