~部長日記~(第12話)
昨日は私は朝から仕事で駆けずり回っていた。
明日から長期連休をとるため仕事を終わらせなければならないからだ。
もちろんプロジェクトの進行も大事な業務の一つだ。
朝一で部長に前日までに作ったプロジェクトの資料を見てもらい、直すところを言ってもらった。
他の業務と並行して行った。
部長には「今日中にここまで直しておけよ!」と釘を刺された。
休むための引き継ぎなどもしていたら
アッと言う間に夕方になった。
部長も会議等で忙しくプロジェクトの
打ち合わせをしたのは6時近くになっていた。
部長「今朝、ここは~で、こっちは~
に直せと言ったよね。近藤さんもわかりました、って言ったよね。全然直ってないし、意味を理解してないのか。こんなんでどうするの?」と言うと、
ふ~っと大きなため息を一つついた。
部長「近藤さん。せめて普通のことが出来るようになろうや。」
重苦しい雰囲気が漂う中で、
私は情けないやら悔しいやらの気持ちで
振り絞るような声で部長にこう言った。
私「この間、(会社辞めて)どこに行っても一緒だよ、と部長が言ってくれたようにこういう部分を直さないとどこに行っても困るのは自分なんだから何とかしなきゃいけないですよね?」
沈黙・・・・がしばらく続いた。
部長「・・・無理だね。」
諦めに近い部長のがっかりした顔が
目の前に広がっていた。
部長の一言が重くのしかかってきた。
その日の部長との打ち合わせは終わった。
このことは私に何を教えてくれようと
しているのか。
これがプロジェクトが始まってから
ずっと私の目の前に立ちはだかる課題だ。
どんな神のメッセージなのか?
そして私は会社を辞める日までに部長を満足させることが出来るのか?
家に帰ってからいろんなことを
考えた。
部長とのやりとりを思い出すと
悔しいのか悲しいのかわからないが
涙が出てきた。
気がつくと声をあげて号泣していた。
こんなに泣いたのは久しぶりだった。
応えたいのに応えられない自分。
私は部長に認められることにこだわり過ぎているのか?
自分を責めても解決しないんじゃないか。
いろんな思いが渦巻いていた。
そんな思いの中私は翌日から行われる
YSカウンセラー集中講座に行くため
東京行きの飛行機に乗ったのであった。
(第13話に続く)