1793.具体的な実践指導

真我日記

写真はベーコンと野菜の酒蒸しです。塩入れ過ぎて少し味が濃くなっちゃいましたが、全体的には美味しかったです。

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佐藤康行(YS)メソッドをお伝えします。

「真我の鏡返し」の急所を、
心のドクター佐藤康行先生の名著:奇跡を呼び込む「わがままスッキリノート」(たま出版)から、見ていきます。

一見良く分からない題名のこの書籍だが、実はその内容については、
150冊以上出ている佐藤先生の本の中でもトップと思っています。
それは、誰にでも書ける本ではないからです。

アルコール依存症や薬物依存症の方々との対話形式のみで、
それらを克服していったという驚異的な実録。

何といっても、対話だけで治癒に導く、
佐藤先生のカウンセリングの真髄が満載されています。

この本の中から、薬物依存のご主人を持つ奥さんと、
佐藤先生の質疑応答のシーンを見ていきます。

この奥さんをカウンセラーに、ご主人を相談者に置き換えてみると、
カウンセラーのあり方、真我の鏡返しの急所について、
佐藤先生から直接指導を受けていると想定しやすく、
分かりやすいと思われます。

シーン1:
ご主人の薬物の量が、以前と比べて一時期半分に増えたときの、
奥さん(早紀さん)と佐藤先生とのやり取りのシーンです。

佐藤先生:
努力をされているのは分かります。
それは認めるんですが、
彼が本当に薬がいらなくなるように、結果が出るようにしたいですね。

早紀さん:
そこをどうしたらいいのか分からないんです。

佐藤先生:
どうしたらいいのかの前に、まず、注意深く心の耳を鍛えなければいけません。
ご主人は、ここに来るたびに、一番大事なことは、何だと言っていますか?

今日、完全にそれを落としていってください。
「佐藤先生は、私のことを完全に認めてくれている。
そこを揺るがないでいてくれるから、私は薬が要らなくなった」って言っていますね。
そこがポイントだと思うのです。

早紀さん:
私が彼を完全に認めるということですか。

佐藤先生:
そうだと思います。
なぜならば、今の報告も「薬が半分に戻ってしまった」と、ひとごとであり、
彼の問題だとしか聞こえないのです。
自分の問題と思われていないでしょう。
そこが違うのです。
「彼は薬を必ずやめるようになる」と、私は言い切ってから自立プログラムを始めました。
その瞬間に、私の問題になったわけです。
それなのに、奥さんは自分の問題にしていないのです。
彼の問題にしています。

早紀さん:
主人の薬がまた半分に増えたということは、
私の問題として、しっかり捉えるということですか?

佐藤先生:
自分の問題にするということは、自分を責めることではないんですよ。
「私がこうしたからこうなった。反省しましょう」、そんなことを私は言っていないんですよ。
「反省=自分を責めること」です。
自分を責めると、人間の心というのは、相手も責めたくなるのです。
そうなったら、戦いは尽きないわけです。
そうではなくて、自分の問題として、やることをきちんと分かってないといけないということです。
その答えを、彼が自分の口で言ってくれているのですよ。

早紀さん:
認めるということ?

佐藤先生:
はい。

早紀さん:
ということは、私はいろいろやっているけど、認めることができていないっていうことなのでしょうか。

佐藤先生:
はい。彼を認めきっていない感じがしますね。

早紀さん:
確かに、たまに疑いの心が出てくることはあったので…

佐藤先生:
彼の薬が戻ってきたのは誰の問題だと思っていますか?

早紀さん:
正直、主人の問題だと思っています。

佐藤先生:
ですから、そこが違うと言っているのです。
当初、ご主人が薬物依存で、もちろんご本人も悩んでいましたが、その次に悩んでいた人は誰ですか?

早紀さん:
私です。

佐藤先生:
そうですね。
だとしたら、もっと真剣にその答えを自分でキャッチしなければいけないですね。

早紀さん:
きちんとやっている気になっていたんですけど….

佐藤先生:
そんな作業のことを言ってるのではないんです。
ご主人を、完璧と認めているかどうかです。

早紀さん:
正直、すごく認めているという心境になっているときもあるんですが、
そうではないときもあるというか、波があります。

佐藤先生:
多分作業になっているからですよ。
私と彼と会話をしていたのをずっと一部始終聞いていましたね。
どこがポイントなのかということをキャッチして、それを妻としてやることです。
最後に彼を救うとどめは自分でやったほうがいいと思いますよ。

早紀さん:
今、「あれ?じゃあどうすればいいんだろう」っていう心がいっぱいなんですけど。
佐藤先生が言ってくださることは、
「具体的にこういうことをやりましょう」とおっしゃっているんではなくて、
彼が本当に、私に認められていると実感できるようにするっていうことですか?

佐藤先生:
一言で言うなら、「薬の量が元に戻ってきたとしたら、
『100パーセント自分の問題』として捉えたらいいですよ」ということです。
「彼の問題」では「100パーセント自分の問題」というところから出発です。
「あ、私なんだな」と。
それを私はいつも言っています。
そこが一番大切です。
「私なんだ」と思ってやるのと、「彼なんだ」と思ってやるのとでは、
全く違うものになってくるでしょう。
「あなたの問題はあなたの問題だ」とするのと、「これは私の問題だ」とするのとでは、
出発点が違うから、全ての行動が、全部変わってきますよ。

早紀さん:
いつも言っていただいているけれど、気がつくとそれがずれているんですね。
ものすごく悔しいです。

佐藤先生:
別のご夫婦で、アルコール依存症のご主人とその奥さんの場合も同じなんですが、
夫は自分で自分を責めている。
そして妻は夫を責めている。
夫は自分で自分に槍を刺して、妻はそこをさらに押すわけです。
そのように私には見えたのです。
だから、ある時期から、夫の問題で来られたはずなのに、奥さんの問題にしか見えなくなってきたのです。
「どうして私はこんなふうに言われるんだろう」と思った時期があったでしょう。
ですから、もう一度言います。
一言で言うとしたら、「100パーセント自分の問題としてとらえたらいいですよ」ということです。
「私の問題なんだ」と。
「いったいどこなんだろう」と、そこを探せばいいんです。
「ああ、ここなんだな」と、まず分かることです。

早紀さん:
まずは、「100パーセント自分の問題」として捉える。
それと、佐藤先生が先ほどおっしゃったポイントというお話が、
今はちょっとよく分からないです。
どういうポイントで先生が主人に話されていたのか、聞けばわかるんですけれど。

佐藤先生:
私が何を話したかではなく、彼がどう受け止めたかなんです。
私は、ポイントはここだと思っています。
「佐藤先生はいかなる場合も揺らがないで、本当の私を認めてくれている。
だから私は薬を止められた」と彼はいましたね。
それを、私ではなく奥さんがやればいいわけです。

早紀さん:
薬が増えた現象を、私自身の問題が表れていると捉えること。
そして私自身の問題は何かというと、
私が、彼は完全完璧だと、揺らがずにいるということでいいでしょうか?

佐藤先生:
理屈ではそうです。
世の中のいろいろな問題は、
当人が「100パーセント自分の問題」として捉えていないところから来ています。
そっちの問題が、実はこっちが原因だったりします。
理屈で分かったのなら、次は本当に心からそうなっていきましょう。

100%自分の問題と言うことは、
カウンセリングにおいて、相談者がどうなっていくのかは、
100%カウンセラー次第ということになります。

カウンセラーが相談者をどのように捉えているのか?
相談者は何者であると捉えているのか?

ここからさきに目から鱗の、佐藤先生の究極の捉え方が待っています。
続きはまた明日。

待ちきれない方は、
佐藤康行著:奇跡を呼び込む「わがままスッキリノート」(たま出版)¥1,200+税
どのページかは、ご自分で。