1525.壁の法則

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者「悩み解決明快答」より

人生を歩む中で、私たちはときどき壁にぶつかります。

たとえば、恋人にフラれるというのは、そういう壁のひとつです。恋人を愛していればいるほど、フラれたときのショックは大きいでしょう。

場合によっては、あまりの衝撃に、まったく前に進めなくなってしまうこともあります。お先まっくら、絶望です。

しかし、前項の「財産化の法則」をここにも当てはめれば、フラれたという辛くて悲しい出来事のなかにもやはり、すばらしい宝が眠っています。

その宝をひとことで言うと、「ゆきどまりは無限への道」ということです。

八方ふさがり、壁にあたってどこへも抜けられない…こういう悩みの状態は「壁の法則」で一発解決しましょう。

あなたと恋人が仲良くつきあっている状態は、ちょうど一本の道を歩いている場面にたとえることができます。

あなたは、「その恋人との交際」というひとつの道を進んでいるわけです。

やがて、恋人との心理的な距離が生まれたり、お互いの価値観の違いがハッキリしたりして恋人にフラれるとします。そのときの状態は、ちょうど歩いてきた道が袋小路になっていて、先に進めなくなってしまっている場面にあたります。

まさに「壁」にぶつかった状態です。

そのとき、あなたは、とても悲しい思いをするでしょう。しかし、冷静に考えると、あなたにとってあながち悪い状態とはいえないのです。

なぜなら、そこに無限の道があらわれているからです。

恋人と別れたということは、あなたが、自由(=フリー)になったということです。自由になったあなたには、無限の選択肢が与えられます。

それまで、恋人との交際に費やしてきたエネルギーを仕事に向けることもできるでしょう。

あるいは「世の中に男(女)は星の数ほどいるんだ」と考えを切り換えて、新しい恋を探してもいいでしょう。

今、最高のパートナーと、幸せな人生を歩んでいる人の中には、「あの時の失恋が無かったら、今の素晴らしいパートナーと出会ってなかった。あの時は地獄のようなツラさだったけど、なんて意味のある体験だったのだろう…」そう心から感じている多くのカップルがいるのです。

また、「壁」にぶつかった状態は、自由であると同時にニュートラルでもあります。

ニュートラルとは、車のギアが一時的に切り離されて、動力が車輪に伝わらない状態です。

それと同じように、壁にぶつかったとき、心という動力は、体から切り離された状態にあります。

一度人生の歩みを止めて、休んでいる状態です。

そして、一度歩みを止めると、周囲の世界がよく見えるようになります。

まっすぐに突き進んでいるときには、周りの景色は前から後ろへとどんどん流れています。でも、いったん止まると、景色を三百六十度ぐるりと見渡すことができるようになります。

そして、すべての方向を中立(=ニュートラル)に見ることができます。

そういう状態で周囲を眺めると、そこには、自分の行く道について、多種多様な、あらゆる選択肢があることが分かります。

壁に当たらなければ、きっと見過ごしていたであろう、無限の道が、そこに現れるのです。

壁にぶつかるということは、このように、立ち止まって、周囲や自分を冷静に見直す、またとないチャンスなのです。

私のところへ相談に来る人の多くに

「自分はいったい、何をやるべきなのか」
「やりたい仕事が見つからない」
「自分の使命を見つけたい」

そういった、人生の役割、やるべき仕事や、天職について明確にならず、思い悩んでいる人がいます。

この「壁の法則」は、こうした仕事についてもあてはまります。

特に、自分の天職は何かということを発見するときに有効です。

あなたに向いた仕事、あなたの才能を発揮できる仕事は何なのか。それを見つけるポイントも「壁の法則」にあります。

人間の才能は、生まれたときから備わっていると言っていいでしょう。

あなたの中にも、まだあなたの知らない才能が眠っているのです。

地面に穴を掘るとき、簡単に深くまで掘っていける場所があるものです。

そこに、あなたの才能があります。

いち早く、あなたの才能が眠っている場所(=分野)を見つけて、そこを掘り進み、その場所の中でも、さらに奥深くまで掘っていけるポイントを見つけることが大切です。

そのポイントこそ、あなたが天才になることができる専門分野です。

この才能発見の「穴掘り」をやっていくうえで重要な方針となるのが、「壁の法則」です。

この法則の意味である「ゆきどまりは無限の道」ということからとらえれば、失業もチャンスです。

あなたの才能を発見するには、まずは何でもいいからチャレンジすることです。

世の中には、さまざまな仕事があります。

一般的な企業であれば、営業、技術、経理。あるいは、スポーツ、芸術、医療など多種多様な職業があります。

その中から、興味を持っている分野の仕事をいろいろと試しにやってみると、簡単に穴が掘れる分野と、難しい分野がでてきます。

一度何かの職業についたら、とりあえず、全力をかたむけて掘れるところまで掘るのです。

すると、ある深さのところで、シャベルが突き刺さらない硬い岩盤にぶちあたります。
これが「ゆきどまり」です。

もし、その職業で、浅いところで岩盤にぶちあたったら、今度は、別の職業に挑戦します。

ただし、ここで気をつけなければならないのは、ニセモノの「ゆきどまり」も存在するということです。

ニセモノの「ゆきどまり」を試行錯誤して、掘り続ければ、ある段階で、さらに掘り進むことができます。

ニセモノの「ゆきどまり」は、いわゆるスランプに過ぎないわけです。超一流のスポーツ選手もスランプは経験します。

ですから、才能発見の「穴掘り」において、重要なことは、目の前の仕事に、全身全霊、徹底的に打ち込んで全力を尽くすということです。

この「穴掘り」は、職業の選択にだけではなく、あらゆる才能の発見に有効です。才能は、仕事の才能だけではありません。家事の才能、地域活動の才能、人を褒める才能、人を癒す才能、さまざまな才能があります。

ぜひ、あなたの才能をこの「穴掘り」で発見してください。

恋愛でも、仕事でも、家庭生活でも、人生のあらゆる場面で、私たちは壁にぶつかります。

しかし、その壁は、私たちが歩む道の無限の可能性を見せてくれるのです。それまでは、その道しかないと思っていたのが、まったくのウソであることに気づきます。

これが、「壁の法則」であり、「ゆきどまりは、無限への道」ということです。

壁にあたったときはつらいですが、人生単位で見ると、それは、さらなるあなたの役割へ転じる、「おめでとうございます」なのです。