佐藤康行の言葉をお伝えします。著者生き方教室より
人間関係に悩む人は非常に多い。
職場には様々な人がいる。
苦手な人や、自分の意のままにならない人もいると思う。
人間関係の問題を解決するためには、最終的には話し合いをしていくしかない。
相手から逃げないで、正面から自分の考え方を話していく。
ぶつかっていく、ということである。
それで、話が合えばしめたものである。
合わなければ、合わないなりに別の手段を考えればいいことである。
それはどちらにせよ、大した問題ではない。
ただ、何もしなければ何も解決しないし、理解しあうこともない。
妄想に陥るだけである。
あの人はこう思っているのだろうか、どう思っているのだろうか。と、堂々巡りしているだけで、何の解決の糸口も見つからない。
ところが、相手に思い切ってぶつかっていったら、今まで自分が考えていたことは全部勝手な思い過ごしだったというケースがよくあるのだ。
全部、思い過ごしであるといっても過言ではない。
あの人はこう思っているのではないかと考えるのは全部外れである。
当人は絶対にそう思っていない。
考えが似ていても自分とその人は違うのだから、同じになるわけがないのである。
だから、そのままその人にぶつかっていけばいいのである。
そうしたら、勇気が出るし、自信も付く。
そこで、様々なことに気づかされる。
これは、チャンスなのである。
例えば、社員のAさんとBさんが気まずい事態になった場合、それが会社の業務に差し障ると判断したら、必要に応じて、両者に話し合いをさせるようにする。
そうすれば妄想が消え、真実が浮き彫りになるからである。
私は、あえて社内の人間関係をよくするために特別なことはしていない。
強いていえば、朝礼で私の「成功と幸福を呼ぶ言葉」を毎朝読んでいるということぐらいである。
「成功と幸福を呼ぶ言葉」とは、私の中から、インスピレーションとして湧き上がってきた言葉を書きとめたもので、考えて作った言葉ではない。
この言葉を小冊子にまとめているのだが、これは自分の心や考えに付け加える事ではなく自分の心の奥にある魂の中に既にあなたがもともと持っている心、つまり「真我」を言葉化したものである。
社員の人間関係は、会社の業績を高めるには大事なことである。
特に接客業には重要な要素である。
しかし、会社の経営と言う観点で言えば、人間関係を良くするために会社を経営しているのではなく、あくまでも業績を上げるための、人間関係なのである。
例えば、サッカーや野球の選手が人間関係をよくするために、試合をしているわけではない。
人間関係を一番に考えたら、強いチームにはならない。
やはり、何のために試合をするのかというと、勝つことが一番である。
勝つために気が合わない人でも選手同士仲良くするということだ。
だから、仕事に関しても、普段は仲が悪くても、勝つためには相手が嫌いでもやるときはやらなければいけない。
それがプロというものである。
人間というものは、どうしても自分を中心に考えがちである。
それはあらゆる業種に関してもいえるのだが、自分のために仕事をするか、お客さんに喜んでもらうためにやるか、私自身考えたことがある。
究極的にはやはりお客さん本位ということになる。
お客さん本位ということを、どれだけ具体的に仕事に反映させるかが、苦労といえば苦労である。
しかし、お客さんに少しでも喜んでいただければ、苦労が苦労にならなくなる。
会社などで社員を抱える上司は、人望があることを期待されるが、私は少し違った観点を持っている。
私は、以前レストランのチェーン店を全国で展開していたが、特に自分の人望を高めて従業員や関係者を引きつけてやろうなどとは考えていなかった。
自分の人望をどうこうするのではなく、むしろそれぞれの従業員の長所を見つけて、口に出してあげるということ。
敢えていうならば、それが人望といえる。
従業員の長所を口に出して褒めると、才能がどんどん活性化されてくる。
どんな人でも、勢いが出てきて伸びるのである。
人間は自分自身に一番関心があるものである。
未知の外国人の話よりも、自分の額にあるおできのほうがよっぽど気になるのである。
だから、人から自分がどういわれるのか強い関心を持つのである。
人間関係を良くするためには、その人の良いところを見て、良いところだけ褒めて、良いところを認めてあげれば、その人の良いところが出てくる。
良いところが出てくると同時に、自分の長所をいってくれた人は良い人に見えてくるから、人の長所を口に出して褒めることは、人の上に立つ者として大事な要素なのである。