1366.正しいものの見方とは

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者生き方教室より

「個」で物を見る方法と、「全体」で物を見る方法がある。

今まで人類が間違いを起こしてきた原因の一つは、「個」から物を見ていたからである。
ガリレオが「地動説」を唱える以前は、「天動説」が唱えられていた。地球から見れば、太陽や月や星は地球の周りを回っているように見える。だから、当時の人々は天動説を信じていた。

これは「個」から物を見たときの見方である。自分から見れば、太陽や星が自分を中心にして回っているとしか見えない。しかも地球は球ではなく、平面に見える。これは、まさに個から見た発想なのである。

宇宙全体から見れば、地球は丸いし、地球は回っているのである。これは全体から見た物の見方なのだ。

私たちは天体だけでなく、あらゆるところで個の発想を用引しているのだ。私たちは、個から見て、周囲と対立を起こすことを今まで、人間の宿命のようにずっと行ってきた。

例えば、何かの宗教に凝っている人は、自分の宗教こそが素晴らしいと考えている。

自分の観点から物を見て、他の宗教、他のイデオロギーの思想を批判する。それがエスカレートすると、宗教戦争が起こる。

日本も自分の国を物差しにして他の国を見るから、外国と摩擦や対立が生じるのだ。自分の庭から隣の庭を見て批判するようなものなのである。

全体から見るということは、事実に目を向けるということである。狭い地域の中だけで見るのではなく、地球、宇宙の中の銀河系といった具合に広い視野で物を見ることである。
全体と個が最初から融合されていることに気づくことが重要なのである。

そこから考えると、「ビジネスは何のためにあるか」と問われたとき、「金儲けのため」という答えしか出なかったら、それは個単位ということになってしまう。

自分だけでなく、周りも喜び、みんなも喜ぶビジネスを展開すれば、個ではなく全体のビジネスをしたということになるのだ。

「俺の会社」「自分の会社」などといったような個に凝り固まる時代ではなくなっている。

これからは個で捉えるだけでは生き残れない時代になってきたことを自覚する必要があるのだ。