1364.能力を引き出す教育とは

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者生き方教室より
私はある学校で講演を頼まれて話をした時、こんな感じを抱いたことがある。

「もしかして、教師よりも生徒のほうが“上”ではないか」ということだ。「上」というのは、意識の問題である。

意識の低い人が、意識の高い人を教えている現状がある。これは、心の目から見るとわかることなのだ。

現在の教育制度下では、教師であっても普通のサラリーマンのようなものだから、自分の仕事に夢や希望を持てなくなっている教師がいたとしてもおかしなことではない。

学生、生徒たちはこれからの人生に夢や希望をもって、自分の可能性を最大限に出したいと考えているはずである。

今まさに芽が出つつある生徒に、もし夢や希望を持たない教師が教育をしたら、どういうことになるだろうか。これはとても矛盾していることなのだ。もちろんすべてがそうだといっているわけではない。

これからの時代は、人間本来の心を含めた構造を知り、その使い方を理解して自分から進んでそのことを実践していくような人を教師に選ぶようにしなければいけない。

教育は政治、経済のあらゆる人間生活の根源なのである。政治、経済よりも長期的な視野を持たなければならないのが教育である。

これほど大切な教育に、どういう教師がどのような考えのもと教育活動を行うか、ということが将来の日本の成長を左右するのである。教育が人類の行方を決めるといっても過言ではない。

生徒が百人いたら、百人ともそれぞれの顔も才能も違う。役割も違う。だから、これからの時代はそのようなことをすぐに理解し対応していける教師が求められてくるのである。
教師の意識が進んでいけば、それぞれの生徒にどんな才能や特質があるのかがわかってくるはずである。

生徒の個性を生かしてやろうと考える教師が増えてきたら、将来の世界は大変素晴らしいものになるであろう。