佐藤康行の言葉をお伝えします。
ものごとのとらえ方には、三つの次元があるのです。
それは、「知る」「信じる」「観る」ということです。
いままで私たちはほとんど、「知る」か「信じる」という次元でものごとをとらえていました。
私が提唱しているのは、「観る」という次元です。
「知る」というのは、科学の世界です。
何か新しく事実が発見されたときに、それが公表されて、そして認められます。
証明されたものですからまず間違いはないのです。
しかしこれは、知っているものは認められますが、まだわからないものは、認められないという短所があります。
時間がかかります。
そしてまだ知られていないことの方が、はるかに多いのです。
一方、「信じる」というのは、宗教や哲学の世界です。
信じれば、一瞬にしてすべてをとらえることができます。
「知る」世界よりはるかに早いのです。
しかし、もしそれがウソだとしたら、ウソのまま間違ってとらえられてしまいます。
ヒトラーやカルト教団の教祖を信じたらどうでしょう。
人生を台無しにしてしまう可能性があります。
盲目的に信じるのは大変危険がともなうのです。
そして、最後に「観る」というのは、真理を見抜く世界です。
しっかりと目を開いてみましょう、ということです。
目にも三つの目があります。
それは、肉眼、心眼、真眼の三つです。
例えばゾウを見たときに、肉眼はゾウの姿、形、動きを事実としてとらえることができます。
心眼はゾウの心までも観ることができます。
そして、真眼はゾウの役割を観ることができるのです。
生命単位でとらえることができるのです。
その一部を見たときに、全体が観える、という世界です。
これから人類がもっとも発達させなければならないのは、この「真眼」で観るという能力です。
いままでは「知る」次元と「信じる」次元に偏りすぎていたのです。
自分自身の真眼を磨いて、ものごとの本質を観ることが一番大切なのです。