佐藤康行の言葉をお伝えします。
以前、講演を行なった時、クラーク博士の言葉にひと言付け加えて、「青年よ、己を知って、大志を抱け」というテーマで話をしたことがあります。
経済的な理由や周りの環境など、さまざまな理由から、本来向いていないと感じているにもかかわらず、今の仕事に就いている人が多いようです。
しかし、天から与えられた本来の役割や使命を知ろうともせず、がむしゃらに頑張ってみたところで、結局は無理があって長続きしません。
ユリはユリとして立派な花を咲かせます。決して、バラになろうとはしません。人だけが、咲かせるべき本来の花を自覚せず、「ああなりたい、こうなりたい」とよそに目標を置いて、無駄な努力をしているのです。
何よりも大切なことは、大志を抱く前に、己を知ることです。その上で、自分を最大限に生かす目標を持つのです。
孔子は、「朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり」と説いています。
これは、朝、自分の生きるべき道、目的や使命がわかったら、今晩死んでもいいくらいだ、という意味です。人には、各々、役割や使命があるということを言っているのです。
世界には、73億強の人がいます。しかし、だれ一人としてあなたの代わりはできません。あなたという人間は、たった一人しかいないのです。
己を知り、与えられた役割をまっとうしていくと、世界中でその人にしかできない役割を果たすことができるのです。
今の日本の社会では、この己を知るという教育がほとんどなされていないように思われます。
学校教育では、知識を詰め込むだけの教育をしているようにしか見えません。その結果、自分自身の本当の役割や使命を知らないまま一生を終わらせてしまう人がほとんどなのです。
これからの世の中、己を知るということが、何よりも大切なことなのです。