佐藤先生の言葉をお伝えします。著者悩み解決明快答より
「やるべきか、やめるべきか。それが問題だ…」
こんなふうに、ハムレットよろしく何かをする前から結果をあれこれ悩み心配しても、仕方ありません。
実際にやってみて、はじめて結果がわかります。
ただし、人生を左右する重要な場面では、よりよい決断を下すために、シミュレーションをやったほうがいいでしょう。
学校のテストには、必ず答えがあります。
学校のテストの答えは、ほとんど一つだけでした。
私たちは、一つの答えで「君は勉強がよくできる」とか「君はもっと勉強しなさい」というふうに判断されてきました。
しかし、世の中は、テストの点数だけでは通用しません。
テストの点が良かったからといって、素晴らしい毎日を送れるとは限りません。
むしろ、テストの点数が良かったことで、答えは一つということが観念となり悩みが膨らんでしまう人もたくさんいます。
この世界には、答えが無限に広がっています。
答えは、決して一つだけではありません。
この世の中の答えは無限です。
学校で教わる画一的な「答え」では通用しません。
その問題には、その問題に取り組んでいる自分だけの答えがあるのです。
同じ問題に悩んでいる人がたくさんいたとしても、人の数だけ答えがすべて違います。
では、どうすれば答えがわかるのでしょうか。
それは、行動したとき、つまりあなたが「実践」をしたときにはじめて答えが見えてくるのです。
「実践」はその次のステップです。
「本音を言う法則」は「実践」の一例です。
何かを始めるときは、勇気がいるものです。
「こうなったらどうしよう」
という不安がつきまといます。
「大丈夫かな」と思いながらも、やらざるをえない状況に立たされることもたくさんあります。
このようなとき、考えていること、心配していることは、すべて予測にすぎません。
「やる前までは緊張していたけど、いざやってしまえばたいしたことがなかった」という経験はよくあります。
もちろんその逆もあると思います。
「失敗した。油断していた。なめてかかって大恥をかいた」
でもこれは、実はすべて成功なんです。
実践して失敗した。
でも、頭で考えるだけで行動しないことを思ったら、成功なのです。
また、「今回は失敗したけど、今度はその反対をやればうまくいく」ということが見えてきます。
私はよく、「失敗は成功以上の成功」ということを言います。
実践してみて出た答えなんですから。
実際にやってみたときにしか、わからないものがあるのです。
もちろん、実践する上で自由と秩序をわきまえる必要がありますが。
学校の授業で、「はい!」と手を上げたときのことを思い浮かべてみてください。
先生が「この問題の答えがわかる人いますか」とみんなに聞きました。
あなたは「はい!」と手を上げました。
「はい、じゃあ○○さん。答えてみて」と先生はあなたを当てました。
いざ、先生に当てられると「この答えでいいのかな」「間違っていないかな」という思いも少し湧いてきます。
そして、きちんと答えられて、先生やみんなから誉められました。
あなたは、手を上げる前でも答えはわかっています。
わかっているから手を上げたんです。
しかし、このように「はい」と手を上げたときにはじまるものがあります。
手を上げて発表することによって、答えるときの緊張やきちんと答えられた後の達成感を味わえるのです。
それが自信につながります。
仕事でも結婚でも、何でも当てはまります。
頭の中でいくら想像しても、実践しないとわからない。
準備は必要です。
しかし実践せずに、いくら頭で考えて準備をしても本番にならないとわからない。
やる前で答えを出してもそれは妄想にすぎないのです。
なぜなら、頭で出した答えは、架空の世界の答えだからです。
まさに机上の空論です。
実践したときにしか、わからないものがあります。
実践したときに、はじめて始まるものがあります。
この法則で大切なことは、「実践しなければわからないのだから、実践しながらその答えをとらえていく」ということです。
ですから、まず実践してみないことには何も始まらないのです。
何かを始めようと思っている方、すぐに実践してみてください。
とはいうものの結婚や就職などは、すぐに決断してよいものかどうかわからないこともあります。
たとえば結婚です。
「この人でいいのかな。さんざん恋愛したけど、本当に結婚していいのかな。子供ができてからだと遅いしなぁ」という不安があるかもしれません。
就職の場合なら、「この会社で本当にいいのかな。この会社に入社したら、他の会社には行けないしなぁ。入社して落ち着いてからじゃ遅いしなぁ」という不安があるかもしれません。
実践しないとわからないけど、結婚や就職のように一大決心が必要なものもあります。
人生の分岐点での決断です。
自分だけでなく、周りの人を巻き込むものもあります。
このような決断を迫られるときに、うまく対処できる方法があります。
一度決めたらなかなか変更が難しい決断をするときに使える、とっておきの方法です。
あなたも受験生のときに「模擬テスト」を受けたことがあるでしょう。
「模擬テスト」は、本番の受験に備えて受けるものです。
ですから「やりたいけどなかなか実践できない」という場合は、その目標に向かって「シミュレーション」(模擬実験)をしてみるのです。
「シミュレーション」なら気軽にできます。
ただし、ここでのシミュレーションは、頭の中での想像ではありません。
実際の実験です。
結婚なら、少し同棲してみるのです。
何ヶ月間とか期間を決めて同棲する。
その期間で「この人となら一緒になってもいい」と思えば、結婚すればいい。
「やめたほうがいいな」と思ったらやめればいいんです。
もちろん、すぐに決断できるのならば、「シミュレーション」の必要はありません。
しかし、結婚や就職などは、とくに人生の分岐点です。
少なくともその場の損得勘定で安易に選ばない方がよいということはまちがいありません。
「シミュレーション」をやってみるのも実践に近づくための方法です。
「シミュレーション」をすれば、実践するべきか、それともしない方がよいかが明確になります。
「シミュレーション」をやってみてから結論がでたら、思い切って実践してみることです。
そのときはすでに「シミュレーション」の結果がありますから、決断するにも心が軽くなっているはずです。