佐藤康行の言葉をお伝えします。著者「悩み解決明快答」より
書いて問題を整理するとき、ちょっとした、でも効果抜群のコツがあります。
それは、悩みを見る視点を変えるということです。
悩みを見る視点として、五つあります。
列挙しますと、
1.未来を見る
2.全体を見る
3.一点を見る
4.真実を見る
5.現実を見る
の五つです。
私はこれを「五つの見る」と呼んでいます。
1.未来を見る
まず、第1の「見る」は、「未来を見る」です。
これは、先を読むということです。このままいくと自分がどうなるのか。それを冷静に見るのです。
今までの状態を続けたときの、未来のあなたを想像してください。
そのときのあなたは、ご自分にとって、満足のいく状況にあるでしょうか。それとも、残念ながら、そういう状態にはないでしょうか。
人生において、現時点の生活パターン、ライフスタイルを続けていくとどこに行くのか、自分の目標は何かということを見定めることが重要です。
自分自身の未来について、方向をしっかり定める必要があります。
2.全体を見る
第2の「見る」は、「全体を見る」です。
これは、悩みから少し離れて、悩んでいる状況の全体を見渡すということです。
私たちは、いろいろな人間関係の中で生きています。悩みの多くは、そうした人間関係の中で、生まれます。
つい私たちは、目の前の悩みに囚われてしまいますが、悩んでいるあなたの周りで、人々が常に動いているということに意識を向けることは重要です。
一度立ち止まって、全体を展望する。すると、周りの人々に支えられているということに気づきます。
そして、そのことに感謝するという視点から、あなたの悩みを眺めてみてください。
悩みとのほどよい距離が生まれ、自分の悩みはたいしたものではなかったであるとか、自分の悩みの原因はここにあるといったことに、思いがけず気づくかもしれません。
3.一点を見る
第3の「見る」は、「一点を見る」です。
これは、より具体的ではっきりとした目標を見つめるということです。
悩みは、現実と理想とのギャップから生じます。このギャップを明確にするということが、問題を整理するということです。
「現実を見る」では、現状を冷静にとらえることです。
そして、一方で現状を見ると同時に、他方で、期待・理想が何であるかを適切にとらえることが重要です。
あなたの限られた時間、限られた生命を、いろいろなことに使って消耗してしまうと、結局何もできずに終わってしまいます。
自分にとってもっとも価値のあることは何か、最優先すべき目標は何かを、心を整理して確認し、そのことに、最大の時間とエネルギーをそそぐことが大切です。
4.真実を見る
第4の「見る」は、「真実を見る」です。
あなたの悩みの奥にある真実を見るということです。
では、ここでの真実とは何でしょうか。
それは、私たちの目に映るものは、すべて過去の結果、結晶であるということです。それは、私たちの思いが、後から形となったものなのです。
悩みもそうです。悩みも、私たちの過去の思いの結果として生じるものです。そして、その思いは、私たちの性格、心の習慣から生まれます。
つまり、悩みの原因は、私たちの心の習慣にあります。それが、悩みの真実です。
この真実を見る視点が、いまわしい悩みを、あなたを成長へと導く黄金の鍵へと返信させます。
5.現実を見る
第5の「見る」は、「現実を見る」ということです。
悩みに振り回されることのないよう、そして、悩みにきちんと向き合うために、悩みを抱えた自分のありのままの姿、見たとおりの姿を冷静に見ることが必要です。
自分や他人の、いい部分も悪い部分も、目をそらすことなく、すべてを具体的に見ていきます。そこには、できるかぎり個人的な感情をいれないほうがいいでしょう。
今、自分が置かれている状況や、自分の価値観などを自分自身で把握しておかなければなりません。
そうすることで、はじめて悩みを含んだ目の前の現実をしっかりと見ることになるのです。
以上で、『悩み』解決の準備として、『悩み』を整理することの重要性を確認しました。