1523.自分でする他人にしてもらう法則とは

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。著者「悩み解決明快答」より

忙しく走り回るビジネスマン。

自らのノルマを達成するには、このことも仕上げなきゃ、あのこともやらなきゃ…

「ああ、手伝ってもらうったって、自分でやったほうが早いし、かといって手が足りない!」

「あと10人自分がいたらいいのに!!」

あなたは、自分の力では手におえない仕事や問題を、自分ひとりで抱え込んで、「できない、できない」と思って悩んでいませんか。

もしそうなら、その悩みの解決は簡単です。

その仕事や問題を、人に頼んで片付けてもらえばよいのです。

ある仕事があるとします。この仕事を終わらせる方法として、大きく二つの選択肢があります。

一つ目の選択肢は、自分でやるというものです。

二つ目の選択肢は、他人にやってもらうというものです。

どちらの選択肢を取っても、仕事が片付くという結果は同じのようにみえます。

しかし、一つ目の選択肢と二つ目の選択肢では、隠れた可能性という点では明らかな差があります。

あなたがフィットネスクラブでウェイトトレーニングをしているとします。

あなたは30キロのバーベルは持ち上げられます。

でも、もっと力をつけて重たいバーベルを持ち上げたくなりました。

身体を鍛えて筋力を強くしたり、いわゆる潜在意識を開発したりすれば、50キロは持ち上げられるようになるかもしれません。

いや、がんばれば100キロくらいは持ち上げられるかもしれません。

自分の力を開発していけば、ある程度までは強くなるでしょう。

では1トンならばどうでしょうか。

自分ひとりだけの力で持てますか。

どれだけ身体を鍛えて潜在意識を開発しても無理ですよね。

火事場のバカ力なんて、よく言いますが、それでも難しいと思います。

潜在能力を含めても、自分ひとりだけの力では限界があるのです。

しかし、実は1トンのバーベルがあなたの力で持てる方法があるのです。

あなたが周りの人に手伝ってもらえばよいのです。

「な~んだ。そんなことか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、これはとても大切なことです。

一人で千人を相手にできるくらい強いことを「一騎当千」といいます。

しかし、仮に自分に特別な能力がなくても、千人を相手にすることはできます。

千人の協力者がいればよいのです。いわば、「千騎当千」です。

ある講演会で私が「弱い人ほど、本当は強いのです」ということを話しました。

すると、会場にいたある男性が、その一言を聞いて動けなくなってしまったのです。

その講演で、こう話したのです。


『「強い人」が強いとは限りません。

「強い人」とは、強くなろうと、自分ひとりの力をどんどん開発していくから、ある程度までは強くなれますが、人間には必ず限界が来ます。

しかし、なんでも自分でやってしまおうとするので、その限界にぶつかり挫折してしまいやすいのです。

「自分は弱い」と思っている人は、自分ひとりの限界を自覚し、他人の協力を得ようとしたり、他の力を活用しようと言う発想になるので、多くの力を結集させて、結果的に人間一人では到底できなかったような大きなことが成し遂げられるのです。

そして、「弱い人」ほど、個人の潜在能力をはるかに超えた、大いなる本当の自分の力に目覚めやすいのです。』―

彼は、この話を聞いて、何かに頭をガツーンと叩かれたような衝撃を感じたそうです。

「ああ、オレは『強い人』だった!!」と。

彼は以前、マイナス思考で、何かあったらすぐに傷つき落ち込む「弱い自分」に強烈なコンプレックスを持っていました。

そんな自分を克服するには「強い人」になることだと思い、心のことを勉強したり、能力開発に励み、一生懸命がんばって、まさに「強い人」になる努力をしてきたのです。

その努力の甲斐あって、非常に立派な結果も出し、「何でもがんばれば出来るんだ」という自信がつきました。

彼は、理想の「強い人」を実現しつつあり、一見、順調に自らのコンプレックスを克服したかのように見えました。

しかし、彼はこのころ悩んでいたのです。

責任ある仕事を任され、自信を持って、喜び勇んで取りかかったのはいいものの、次々とやってくる大量の仕事をさばききれなくなってきたのです。

しかし、彼は、それらの仕事を、全部自分で抱え込み、なんとか自分の力でやりきろうとしていました。

しかし、実際は物理的にも限界が来ていて、自信と現実とのギャップに苦しんでいたのです。

「何でもやればできるんだ」という自信が、逆に彼を個人プレーに走らせ、協力を得られたら突破できたであろう、大きな可能性に自らフタをしていたのでした。

これは、個人の能力開発にはげみ、自信をつけてきた人が陥りがちな弊害なのです。

彼は、「弱い人が本当は強い」という私の一言で、パーンと何かがはじけたのです。

「個人で出せる力の限界」と、「たくさんの力を束ね、個の限界を超えた無限の可能性」との格段の差に気づいたのでしょう。

そこから、彼は、もっと人の協力を得られるための自分になることに意識をあわせ、結果的に、このとき突き当たっていた壁を突破していきました。

自分ひとりで何でもかんでもやってしまえることが、必ずしも能力があるということではありません。

自分ひとりだけで何でもやろうとすると、必ずどこかで限界がきます。そして挫折してしまいます。これをやっている人が、今とても多いです。

もちろん、何でも他人にやってもらうことが良いわけではありません。むしろ自分で解決できることは、人の手ばかりを借りずに自分ひとりで解決することも大切です。

個人の限界に近いところまで極めて壁に当たることは、今後人を指導していく上で大変な財産にもなります。

しかし、人に手伝ってもらうことができれば、そこに限界はありません。

自分の能力ではとても及ばないようなことでも、人と協力したり、システム化するなどして取り組めば可能になります。あるいは、自分の不得意な仕事も、それが得意な人にお願いすれば、楽に片付きます。

何かわからないことがあれば、素直にそれをよく知っている人に聞けばよいのです。

それに関する知識に自信がなければ、それを堂々とさらけだして、教えてもらう。恥ずかしがったり、遠慮したりする必要はありません。

「私の周りには、私のことを助けてくれる人なんていない!」とあなたが思っていても大丈夫です。

あなたが本当に喜びいっぱい愛いっぱいで生きていれば、あなたのことを手伝ってあげたいと思う人が必ず現れます。

あなたが本来持っている素晴らしさを発揮すれば、あなたを助けてくれる人がどんどん集まってきます。

そうなれば、1トンと言わずに5トンでも10トンでも持ち上げられるようになるでしょう。

重要なことは、「自分でする」という選択肢と、「他人にしてもらう」という選択肢を自由自在に使い分けることができるということです。

この使い分けを身につければ、できない仕事を抱えて途方にくれることはなくなり、仕事の悩みは解消します。

自分でやるべきことは自分でやる。他人にやってもらう必要があることは素直にお世話になる。そして、感謝する。

これができれば、あなたの能力は無限大になります。